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2011/12/5
最終回。感想とこれからと
運用会社日本株トレーダー 鰊
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銀行に将来はあるのか?
某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
09年4月6日
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今年は金、土、日と花見を楽しんだ鰊です。
そういえば 花見というイベント自体、大学生以来のような。。
新年度は忙しいことが多いのですが、今年はそれだけ暇というか心の余裕があるということでしょうか。
さて、昨年の秋以来、マーケットが一番恐れていたのは銀行の資金繰り状態です。マスコミの報道は先行というか騒ぎすぎることが多いのですが、この点については報道規制がかかっているのかと思うほどマイルド。
まあ、銀行としても「絶対に」口を滑らすことができない事柄ではありますし、ただでさえ資金調達が話題になっている時にそんな話をして預金が減少することは避けたいのは当然です。
1998年に長銀や日債銀が国有化されたときにマーケットの最前線で働いていた先輩や上司曰く、「さーっと波が引くように個人預金が逃げていった」とのこと。何も変化のないところからの、激動はそれこそ「何か対策を打つというレベルじゃなかった」とか。
三菱UFJや三井住友が米証券会社に出資して、少しだけ日本の金融機関がグローバルに注目された後、増資に走ったのも、少なからずそういった事情があったのかもしれませんし、マーケットはかなり戦々恐々でした。
この金融状態で銀行の資金繰りが止まれば、事業法人は溜まったもんじゃなくまさに連鎖倒産が起きかねない。
オリックスや新生銀行の株価急落は業績云々ではなく、まさに「潰れるか否か」 が問われた、そう理解しても良かったのではないかと思います。
マーケットがもっとも嫌がる「底が見えない状態」、具体的には3月末に何が起こるか分からないというのは今年の1、2月だったのでしょう。
銀行からすれば、メガだろうが地銀だろうが、自行以外のことに構っている場合じゃない。 自分が資金を抱え込むことで他行が苦しくなるだろうが、それ以上のことを考えるのは金融庁であって、自分じゃない。そんな声が聞こえてきそうでした。
まあ、3月に入ると少しずつ資金繰りの着地が見え始め、期末を越えてみれば 「いやー、こんなに資金を抱えていて良いのかなあ」と言ったとか言わないとか。
さらっと書いてますが、正直な話、いくらでも最悪なシナリオは描けたわけで個人的にはかなりほっとしています。
さて、現状を鑑みると、銀行のポジションは悪くないです。
資本市場がほぼ凍結して間接金融の重要性は増している。引当金は積まないといけないだろうが、金利のスプレッドはワイドになっている一方、金利は低いから貸出利ザヤは拡大している。
数年前のような莫大な利益は望めなくとも、がっちり本業で稼げそうな雰囲気はあります。来年はボーナスが減ることはないのかもしれません。
よって、株価もそれなりに順調に推移することもあり得ます。日経平均が出直りつつありますが、事業法人よりも収益改善は早い可能性もあります。
ただ、中期的には限りなく不透明です。
というのもこの一年、銀行は自行の生き残りのために貸し剥がしを進めました。政府が何だかんだ言ってましたが、銀行が資金繰りを止めなければ事業法人はそもそも倒産しません。沢山倒産したってことはそういうことです。
そりゃ、直接金融の時代に事業法人がこぞって社債を発行して間接金融からの脱却を目指した時期もありました。銀行の収益減少は構造的なものだ、銀行は終わった、そう言われたこともありました。
それでも、銀行は事業法人にとって最後の拠り所であって、社会責任を背負っているわけです。
金融庁からの厳しい目に曝されているのも、そういった側面が極めて強いからです。にもかかわらず、この一年で多くの引き金を引いてきました。
潰れた企業はもちろん、生き残った企業も、その事実を目の当たりにしてきました。潰れた企業のいくつかは、そもそも銀行がドンドン貸したからこそ、資金需要が膨らんだわけで、それなのに急にファイナンスを断られるなんて、そりゃ生き残れません。
これから先、銀行が経営を軌道に乗せるためには、引き金を引いたものの何とか生き残った企業との取引再開が不可欠です。
銀行はそういった企業とどうやって取引を再開するのでしょうか?「そこはビジネス」とあっさり割り切るのでしょうか?
1998年に国有化された銀行は、未だに取引先から資金を引きあげたことを言われるそうです。今回、その企業との関係はどうなったのでしょうか?
谷を越えるたびに銀行は信頼を失っているのではないか、そんな気がして仕方ありません。
某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
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