皆さん、こんばんは、鰊です。2009年も残すところあと2ケ月となりました。 今年をまとめるにはちょっと早いですが、これほど株式市場が受けに回った1年は記憶にありません。 株式市場は情報を織り込む場なので基本的に受けと言えば受けなのですが、政局にしても、経済にしても、個別企業の動きにしても、投資家にとって厳しい1年であったことは間違いないでしょう。 有言不実行、無言実行、何を考えているのか分からない「行動ありき」の政治家。 底が見えない下落、背景が見えない業績回復、底値での増資。 ここ数年、業績のアップサイドではなくボトムサイドに注目する投資手法は軽視される傾向があっただけに、信用リスク中心の相場に神経をすり減らした方々も多かったのではないでしょうか。 日経平均1万円近辺の重さを見ると、年末にかけて急騰する雰囲気はほとんどないだけに、せめて年間騰落率はプラスで終わってくれることを祈るばかり。 それはそうと、ここ最近の乱高下はかなりのものです。この原稿を書いているのは、日曜の19時ですが、金曜日のダウは-2.51%で帰ってきており、月曜日の日経平均も大きく動いて始まりそうです。 ちょっと前の日経新聞にボラティリティ低下が記事になっていたREIT市場も同様に、というかそれ以上に激しく動いております。 違いとしては、日経平均の構成銘柄のボラティリティはそれほど大きくないけど、REITの個別銘柄はかなり極端というところ。 元々、REITは流動性に乏しいため1日で5%動くことが珍しくなかったので、1ヶ月前までの静けさがある意味異常事態だったのですが、最近は思う存分乱高下しております。 前々から言及しているようにファンダメンタルズの変化はほとんどないので、しっかり分析できていればボラティリティが激しい方が回転数を増やせるのでありがたいです。 ところで、流動性やボラティリティという言葉は相場でも良く使われますが、厳密に定義しようとすると十人十色とまではいかなくとも八色、九色程度のバラつきはあります。 まあ、ボラティリティについては過去20営業日のデータから年換算した標準偏差を用いることが多いと思いますが、実際には証券会社のアルゴリズム一つとっても、過去何営業日分使うかはバラバラです。 どのような意味でボラティリティという言葉が使われているのかは文面から読み取るしかなく、短期的な予想においてボラティリティという言葉が使われているのならば、それはあくまで過去のデータでしかなく、さほど参考になるものでもないと思ってもらって問題ないと思います。 それよりも問題点は流動性。 この定義は完全にバラバラですし、定義大好きなアカデミックな世界でも主流と呼べるほどのものはほとんどありません。 「他に定義がないから、いまいち納得してないけどこれを使っておこう」程度なものです。 マーケットの人間が使う場合は概ね感覚的なもの。 自由に売買できるかどうか、極端な動きが多いか少ないか、以上のことを示すことはないと思っていいかと。 アカデミックな世界だと、スプレッド(現在値から売値・買値がどれだけ乖離しているか)もしくは、出来高をキーとしたファクターをベースに時価総額等で調整したした数値の2つが主流ですが、PBRや時価総額のように株価に影響を与えるファクターとして考えるにはちょっと弱い感じです。 但し、流動性はここ1年でかなり盛り上がっているテーマではあります。 このメルマガでも触れたことがありますが、再度整理していきます。 長くなりそうなので、続きます。