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「流動性に着目したテクニカル指標(1)」
某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん) |
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09年12月7日 |
皆さんこんばんは、鰊です。
今年も一年早かったなあと思うものの、昨年12月のメルマガのテーマを思い出せないことを考えると、確実に1年が過ぎていることを実感します。
下期は比較的穏やかではありましたが、企業動向は落ち着いたというより消耗戦に近いもの。金融業界の動きも、なりふり構わぬメガバンクの増資を除けば、様子見に終始した印象があります。毎月のように新しい商品が作りだされていた頃が懐かしい。
さて、今月は流動性関連のテクニカル指標について触れます。
流動性はここ2年の間にいろんなところで盛り上がっているテーマですが、実はテクニカル分析にも「流動性」とカテゴライズできる分野は昔から存在しており、決して新しいものではありません。
ただ、テクニカル分析といえば一目均衡表や移動平均線など、過去の株価動向から将来を予測する手法が一般的というか人気です。
分かりやすさ、応用範囲の広さ、「もっともらしさ」で言えば、株価が他の指標よりも重んじられることは当然といえば当然です。
流動性に関するデータを持ち出すときは、主としてまず株価分析があり、それを補足するために「流動性関連(主に出来高)」関連の指標が持ち出されることがほとんどです。特にトレンド転換を示すシグナルではよく見るような気がします。
テクニカル分析のバイブルと言える「日本テクニカル分析大全」でも「出来高分析」だけで一つの章が構成されてますが、章の冒頭にははっきりと「テクニカル分析は株価分析とその他市場分析に分けることができる。」と書かれており、株価分析がどれだけ重んじられるいるかが伝わってきます。
そんなちょいマイナーな流動性ですが、頻繁に聞かれる指標の代表はまずワコーボリュームレシオ。
和光証券(現在の新光証券)が開発した指標で定義は「(過去N週の値上がり週の出来高合計-過去N週の値下がり週及び変わらずの出来高合計)÷過去N週の出来高合計×100」というもの。週、日、月の何でも使えます。
「株価波動はエネルギーの発散と集積による」との考えを元に、上昇週をエネルギー発散、下落週をエネルギー集積と分類し、市場が上昇を始めるところ、上昇が継続されるシグナルを見極めようとするのが特徴。
値がプラスならエネルギー発散、値がマイナスならエネルギー集積ということになる。
株価だけに着目すると株価が動きが横ばいになったときに方向性が見失いがちになること、上昇途中に「今は上昇過程のどこら辺なのか」を判断するときに使えるのがポイントかと。
値上がり週の数と値上がり週の出来高の両方がそろって初めてエネルギー発散となるので、今のマーケットのようにじりじり下がって、どかんと上昇する相場は基本的にニュートラルと判断されると思われます。
マイナスの場合は-20%から-40%で下げ渋り、-60%で底。プラスの場合はやや異なり30%から40%でブレーキ、60%で天井が一つの目安。
株価の変動幅に左右されない点が一つの売りかもしれません。
また、基本的に値だけで判断するわけではなく、値が下降しており、株価が横ばいもしくは強含みで強気。値がマイナスからプラスに転じるところは強気の確認。といった具合に値のトレンドや株価も情報に加えながら判断することになります。
個人的な感想ですが、初めてこの指標を見たときは衝撃を受けました。
「自分の名前を付けてしまうのか!」と。そして「自分も開発したい」と。
いつか「TOKYO-IPO-NISHIN-Ratio」とか作ってみたいですね。
でも、これだと頭文字取りにくいなあ。
まだまだ続きますよ。なんとか今年中に終わらせたいところです。
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某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
メールはこちら ⇒ nishin-for-t-ipo@hotmail.co.jp
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