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2011/12/5
最終回。感想とこれからと
運用会社日本株トレーダー 鰊


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  「資産運用の目的と長期投資、分散投資との矛盾(1)」

某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
  2010年2月1日
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こんばんは、鰊です。ついに花粉症?というような鼻水に苛まされております。
昨年まで疑惑だったのになあ。どなたか初期症状の対策を教えていただけないものでしょうか?

さてさて、一人のサラリーマンとして資産運用は避けられないのですが、正直な話、納得して金融商品を買うことはまずありません。

私の主観ですが、資産運用の目的と照らした場合、職業柄どうしても選択可能な金融商品が限られることが主な理由です。

どういうことか?今回は話が長いので章立てします。仕事の文章っぽいですね。


(1)そもそも資産運用の目的とは??

資産運用の究極の目的は資金を無限に増加させることですが、最低限のラインとしては老後の資金であり、現実的な目標としてはそこから逆算することになります。

例えば60歳で5000万円の金融資産が欲しいと思った場合、10年毎に2倍にすることを目標とすると30歳の時に必要な資金は625万円。求められるリターンは複利年率7%〜8%。

この目標を如何にして達成するかが問題となるわけです。まあ、金額と期間は仮定です。


(2)日経平均で運用すると??

資金を日経平均連動型投信だけで増やすとすると、信託報酬込みで単純に考えると年間8%ほどリターンを得る必要があります。

10,000円で買って10,800円で売れば十分ですね。手数料込なら11,000円といったところでしょうか。実現しそうな気もします。

今はさほど怖くありません。10,000円で買うことの恐怖はないでしょう。

しかし、日経平均には上昇と下落のサイクルもあるわけで、10年間のうち5年間が上昇、5年間が下落と仮定すると、上昇する5年間だけ日経平均を保有し年間16%のリターンを得て、他の5年間はキャッシュに換金して動かないことが必要です。

10,000円で買って16,000円で売る。一気にハードルが上がります。

何とか4年間勝ち続けると、5年目は18,000円で買うことになります。マーケットの動きによっては5年目は20,000円から始まるかもしれません。そこで一発勝負は怖いですね。

計算上、この手法を30年間繰り返すと資産が8倍になるわけですが、簡単ではないことは明白です。

マイナスの年はあってはなりませんし、負けないことを前提としており、ロスカットの基準も定めておりません。

一発勝負なので負けた場合、塩漬けとなった場合なんて考えてもいません。

しかも、このケースでは資産運用資金を全て日経平均につぎ込んでおり、日常生活のプレッシャーはかなり厳しいことになるでしょう。


(3)長期保有すれば良いんじゃ??

一般的に金融商品は長期保有しておけば安全と言いますが、実際に長期保有して良いかどうかは完全に商品性に拠るのでしょう。

現実としてこの10年間、日経平均を保有し続けていれば資産は半分になっております。

そして、怖いことに我々の年金を運用しているGPIFは約20%をTOPIXをベンチマークとして運用しており、その部分はこの20年ですっかり半分になっているでしょう。

10年前の運用手法がどうだったのか正確には把握してませんが、現在のように予め運用するシェア配分(内債、内株、外債、外株)を一定の範囲に収まるようリバランスをしていた場合、TOPIXが下がって内株のシェアが下がればシェア配分を元に戻すために他の資産をキャッシュ化して、内株に投資するはずです。

その後、さらに内株のシェアが下がれば、再び他の資産をキャッシュ化して内株に投資します。

他の資産のリターンを吸い取る形で下落していくわけで、運用資産全体で考えると当初の内株シェアが半分になってしまっただけではなく、他の資産のリターンも目減りさせていることになります。

もちろんこれは悪いところをだけ抜き出した極端な話です。バブル前は長期間にわたり内株の恩恵を受けており中長期で見れば悪くないリターンになっていると思われますが、いずれにせよ私の人生の中で株価が上昇した年はわずかなものなので、一般的に言われる長期保有のメリットはほとんど体感してません。


(4)一度に買う必要はないんじゃ??

一回の売買で勝負をつけようとするから恐怖を感じるわけで毎月資産の1/12を投資すれば心の平穏は保てそうですね。

1月に10,000円買った日経平均が一本調子に上昇して3月に11,600円を付けたらどうするのか?

1月に買った分は売れば良いでしょう。3月に買う予定だった資金はどうしましょうか?機械的に買って日経平均が10,000円まで下がればプラスマイナスゼロです。2月に買った分まで考慮するとマイナスです。

タイミング分散投資の弱点はここです。本来であれば売りたいタイミングであっても、買う破目になること。

1月から11月はじーーっと横ばいで12月最終週にどかんと上がらない限り当初の目標は達成できないですね。

損失するかもしれないことを考えてなるべく利を伸ばそうとすると、12,000円まで売れない。

これはこれで売り時を逃してしまいそうですね。それに、当初の目標リターンはどこへ行った?ということになりそうです。

ではどうするのか?他に方法があるのか?
リターンの原資を株価上昇以外に求めるのも一つの方法です。

続きます。

某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
メールはこちら ⇒ nishin-for-t-ipo@hotmail.co.jp


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