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2011/12/5
最終回。感想とこれからと
運用会社日本株トレーダー 鰊


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  「運用業界の雇用回復はまだまだ!?」

某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
  2010年4月5日
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皆さん、こんばんは。
甲子園球児の真っすぐな瞳が眩しすぎて直視できない鰊です。
どうして社会人の目って高校生と比べると濁って見えるのでしょうか?
まあ、自分の目も周りからすると澱んで見えるのでしょうけど…

さて、4月。

多くの新社会人が誕生する季節ですが、就職先が決まらなかった学生にとっては残酷な季節です。

「景気の底打ち」「日経平均11,000円乗せ」「マンション価格反転」といっても、経済サイクルにおいてはごく一部の上流の話を先取りしたもの。

売り手市場と言えるほどまで、企業が採用枠を拡大するのはまだまだ先でしょう。
今年一年も新卒採用のニュースがクローズアップされそうです。

一方、注目こそされないまでも相当に冷え込んでしまっているのが運用業界。

景気の波に振り回されるのが宿命とはいえ、1990年から比較すると銀行も証券会社も合併の連続で、その子会社である運用会社も3社合併なんて当たり前。採用枠の絶対数が大きく減っております。

少なくとも週に数回はヘッドハンティングから電話があった頃が懐かしい・・・。ヘッジファンド系も含めて、会社を積極的に拡大させるところはほとんど無いようです。2007年頃はとにかく稼げる人材は採用したい、と採用ラッシュだった反動で、むしろ過剰人員を抱えているところがほとんどでしょう。

最大手の野村アセットやグロソブでたらふく稼いだはずの国際投信でさえ、HP上の中途採用はストップしております。ピーク時はかなり多くの職種で採用募集をしていたのですが…。

そして、厳しい業界の中でさらに厳しいのが国内株式トレーダー、その中でも経験豊富な中堅層はもはや身動き取れない状況に近いです。

証券取引等監視委員会の検査や社内体制の整備の厳格化によりアグレッシブな売買取引が難しくなった、と言いますか、売買取引でリターンを稼ごうという志向が衰退したこと、また、アルゴリズムトレーディングの台頭により頭数を減らす動きがチラホラ出ていること、ブロックトレーディング(取引所外でまとまった株数の取引を行うこと)の増加によりマーケットを目をさらにして注視する度合いが減少したことが要因として挙げられます。

何よりも、リーマンショック以降に日本株の取引そのものがグッと減少してしまったことが決定的でしょう。マーケットが戻りつつあるとはいえ、もともと過剰人員を抱えているので採用を開始することはまだ先と思われます。

数年前の熱狂を体感した人間からすると、あの時代は夢だったんじゃないかとさえ考えます。

私の上司は「場立ち」(昔の株式市場の有り様として良くテレビ等で放映される、色んなサインを出して取引する人)出身で、バイサイドのトレーダーや証券会社のディーラーに知り合いが多いのですが、業界から否応なしに足を洗う人が多いと聞きます。

ヘッジファンドに行ったものの解散してしまったり、会社合併の余波で人員整理の対象になった方の新規採用先がほとんどない。(こういうと誤解を招くかもしれませんが)最悪、地場証券でディーラーでもやって繋げば良いや、と思っていたら、そういうところでさえ採用していない。具体名は出しにくいですが、自己売買中心の上場証券会社が証券取引等監視委員会にきつく締めあげられて、業界全体が萎んでいるとか。

日経新聞にも書かれてましたが、信託銀行各社が今後は日本株よりも外国株に注力するということで(同じリスクを取るなら合理的な判断です)、ますます日本株関連業務は狭き門になるかもしれません。

ただ、意外だったのは、さっさと業界に見切りをつけて個人で株式売買を開始する人が少ないこと。私自身も、会社をクビになったら個人で始めるかと言えば…。うーん。楽しさの質が違うからなあ。

某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
メールはこちら ⇒ nishin-for-t-ipo@hotmail.co.jp


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