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「POの人気はあるのに盛り上がらないREIT市場」
某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん) |
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2010年7月5日 |
ドイツ-アルゼンチン戦が4-0とは、まったく恐ろしい結果になりました。
にわかサッカーファンの鰊です。こんばんは。
しかし年は取りたくありません。
もうすでに日韓とフランスのW杯の記憶がごっちゃになっております。
ジダンの頭突き、ドイツのいかついGKが出ていたのはどっちだったか。
点決めたクローゼって前回か前々回に出ていたクローゼと同一人物なのか。
株式市場の記憶がすらすらと出てくるのに、興味ないことはさっぱりです。
さて、夏枯れの季節を前にして株式市場は息切れの様相を呈してきました。
各国の政策頼みである以上、いつかは直面する問題でしたが、こうも顕著だと更なる財政出動も時間の問題かもしれません。
とはいえ、今のように政権が不安定だとどこに重点を置いた政策が打ち出されるか、分からないので非常に不安になる今日この頃。自民党政権のように株式市場と会話するシステムが成り立っていた頃が懐かしい。
先月取り上げたJ-REIT市場も路線価の低迷や住宅着工の低空飛行を受けて、年初来安値更新中です。
お買い得感はあるものの、J-REITに悪いニュースが散見されるので踏み込んで買いにくいですし、不動産会社も財閥系から新興に至るまで思ったよりも業績が改善しないので、先が読みにくい展開です。
個別銘柄では底値を固めつつありますが、時々ずるっと大きく下げることもあり、「買いそびれた感」よりも「もうちょっと欲張ってみようかな感」が出てきてしまいます。
しかし、J-REITの公募増資だけは不思議なことに大人気です。
6月はアドバンス・レジデンスとフロンティアが公募増資を実行しましたが、国内機関投資家枠は大盛況。個人枠に比べると割当分がそもそも少ないせいもありますが、「えええっ!?これだけ!?」と声が裏返るほど。
「ショートセルを仕掛けて、公募増資で買い戻す」というような極端な戦略を取っていないので、ダメージはさほどありませんが、それでも「ちょっと現金が余りすぎ」というレベルではあります。
公募増資した森トラストの株価推移が一時は増資価格割れというあまりよろしくないケースだったので、ある程度は計算できると思っていただけに、ここまで人気が出るとはまさに想定外。
ただ、不思議なことに公募増資で調達できなかった分をマーケットで買う人はほとんどいないようです。
ご存じの通り、公募増資は価格決定前に申し込むので、申し込み時点ではどれだけ安く買えるかは分かりません。そういう意味では「この辺なら安いから申し込もう」というロジックがあったはず。
買えないなら「思ったよりも買えなかったからマーケットで追加取得しなきゃ」となっても不思議ではありません。
しかし、そうならないのがマーケットの性。
倍率の1/3だけでも実需があったなら、かなりの買い圧力だったはずなのに、フロンティアは一瞬にしろ公募価格を割れました。
アドバンス・レジデンスは公募価格割れになってませんが、セカンダリーではもたついております。
「このままだと公募価格割れるなー」と思っても、平気で叩き売りが出てきます。
アドバンス・レジデンスなんて10年保有すれば分配金だけで元本相当分は還ってきますがおかまいなし。数千円の差額を取るなら来年まで保有すれば良いのに。
出来高だけは大量に増えており、売る人あれば、買う人ありという形でかろうじて価格は均衡を保ってますが、儲かっているのは証券会社だけです。
最初からロックアップ期間を儲けて、本当の実需だけに公募増資分を割り当てれば良いのになあと思うのですが、REITとしてはお金さえ入ってくれば関係なし、倍率は高い方が良いというのもまた事実。
長期保有狙いにとっては安く買える機会が増えるから良いのですが、このまま規模が拡大していくといつかは市場が資金吸収できなくなるんだろうなあと思ったり。
株式市場には流動性を期待し、投資家には長期保有を期待する。
この矛盾を解く方程式はまだ見つけられなそうです。 |
某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
メールはこちら ⇒ nishin-for-t-ipo@hotmail.co.jp
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