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「取引時間拡大のメリット?」
某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん) |
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2010年8月2日 |
皆さん、こんばんは。昨年は10日くらいしか使わなかった
クーラーがフル稼働の鰊です。
古い機種なんで電気代が跳ね上がると思うとうんざりです。
近所のミスドもコーヒーおかわりが魅力ですが、クーラーの
設定温度が高いので、この時期は自然と足が遠のきます。
さて、それはそうと東証が取引時間の拡大を検討するため
パブリックコメントが募集されております。
http://www.tse.or.jp/news/20/100726_a.html
新聞等でも報道されておりますが、前場寄り付きの前倒し、
昼休みの廃止、夜間取引の導入、先物取引時間の拡大の4つを
候補にするので、不都合あるならコメント寄越せという、
よく金融庁なんかが募集しているあれです。
個人的には、日本市場の地位が下がりつつある中、東証の収益を改善させるために
なりふり構ってられなくなったのかと穿った見方をしてしまいますが、それくらい
東証というのはシステム面においては、長期的なビジョンを示さず場当たり的な対応しか
してこなかったという印象が強かったです。
携帯電話でも日本の機種はガラケーとして、独自の進化を遂げたことを揶揄されますが
そんな東証もようやくグローバル標準に対応すべく重い腰を上げたというところでしょうか。
海外では盛んな(というか主流になりつつある)、私設市場やダークプールも日本ではいまいち
盛り上がらず、一強の存在として東証はずっとこのままなんだろうなあと思っていただけに
このタイミングで動くのは正直、意外。
取引時間延長の議論はずっと昔からなされており、大納会の半日立会が全日に変わったことも
記憶に新しいですが、個人顧客を掴む中小証券会社は1989年に廃止された土曜日の半日立会の復活を
望む声もまだあるとか。
とはいえ、大手証券会社からはコスト負担に見合ったリターンが期待できないので反対しており
まだまだ先は不透明です。
ちなみに仕事への影響で考えると、一番影響が少ないのは先物市場の夜間取引時間の拡大。
外国人は日本時間の12時くらいには動き出してくるので、夜間取引の拡大によって仕事の
体制が変わることは少ないと思います。朝の5時までやってくれても構いません。
現物株の夜間市場の拡大は未知数ですが、ファンドマネージャーによってはガンガン発注しそうな
気がします。特に決算期は15時に短信がリリースされるので、流動性があれば動きたいのが本音かと。
企業側からするとプレスリリースの時間が悩ましいかもしれませんが。
昼休みの撤廃。これは仕事のスタンスが大きく変わりそうです。大きな取引は前場の引値で
取り組むことが多いので、昼休みが撤廃されるとどうしたもんか。機関投資家からすると取引が
難しくなりますが、逆に言うと上手くトレードすればリターンを得られるとも考えられます。
一番勘弁して欲しいのは、前場の前倒し。寄付、終値の取引量は全体の10%以上を占めており、
9時前に開場することで、サラリーマン投資家を呼び込むことはできますが、外国人は期待しにくいです。
もちろん個人投資家を呼び込むことは一つの狙いとは思いますが、回転数の高い投資家が軒並み
FXに行ってしまった現在、意味があるとは思えない。あと、前倒しの分だけ早く出社しなければ
ならないのがちょっと…。いや、真面目な話、全てのトレーダーが15時過ぎたら家に帰る準備を
始めるわけではないので…。
慣れてしまっていると言われるとそれまで何ですが、今の東証の取引時間に不都合を
感じるわけではないので、個別株の夜間取引以外は徒にコストを増加させるだけじゃないかなと。
むしろ、市場拡大に一番効果的なのは、401kの拡大による投信市場への資金流入じゃないかと思っております。
私も含めて、金融機関に勤務する人は個別銘柄を売買できないのに加えて、各種しがらみにより
キャッシュのまま保有しているケースが多いと聞きますので、拠出額を自由に設定できると
かなりの資金流入が期待できるかと。
FXも事実上、禁止されてますし、自分のことながらお金を回してないなあと痛感する今日この頃です。
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某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
メールはこちら ⇒ nishin-for-t-ipo@hotmail.co.jp
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