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「景気のブレと不動産市況」
某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん) |
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2010年9月6日 |
いつまでこの暑さが続くのか。 京都に長い間いましたが
39.9℃はおろか36℃以上ですら記憶にない数字です。
どんな暑さなのか、サラリーマンになってから日中はほとんど
建物内にいるため想像もつきません。
何が起きているのか良く分からない気象ですが、
最近の株式市場も良く分かりません。もちろんいつでも自信満々で
市場と向き合っているわけではありませんが、ここまで方向性が
見通しにくいのも珍しい。
ピンポイントで当てるのは不可能にしても、レンジの中で、
定性的な方向感を持つ必要はあるのですが、10人に聞いたら
みんなバラバラなことを言いそうな感じです。
アメリカなのかEUなのか中国なのか、どの数字を追いかけるべきなのか。
特に、短期トレードには格好の材料となる経済指標の方向が日替わりで
変わるため、じっくり考えることも出来ないのが現状です。
本当に、社内で議論をしてもここまで噛み合わないのも珍しいです。
議論をするためには、互いの現状認識をすり合わせる必要がありますが、
まずここが上手くいきません。
ご存知の通り、経済指標には景気の現状を表すものの他に、
景気に先行するもの、遅行するものがあります。
ISMや日銀短観などの景況感指数は、先行指標と言われております。
これらは企業へのヒアリングを基に作られる指数であり、企業の今後の
方向性が顕著に表れるからです。景気の先行きが明るいと考えていれば
拡大に向けて設備投資や雇用が膨らむだろうと言うことです。
個人的には、ヒアリングの回答を誰がどれだけ真面目に書いているのかが
気になるところですが、それなりに人気のある指標です。
その他には景気のサイクルに先行する設備投資、雇用も重要な指標です。
そして、景気のサイクルは、意思決定→業績拡大のための土台作り
(ヒト、モノ、カネ)→業績拡大(決算)→コスト増加という流れです。
よって、先行、一致、遅行の各指標のどこかに焦点を当てることで、議論の土台ができるのですが、
どこに焦点を当てるべきかで見方が全く変わってくるのが現状です。
景気が持ち直すのか落ち込むのかの瀬戸際では、数字を都合良く解釈するのが
極めて容易なので、混乱に拍車をかけます。
ちなみに、社会インフラである不動産は社会のコストそのものであり遅行性が強いです。
赤字企業は高い家賃を払えなくなる一方、移転にもコストが嵩むこと、また
移転先がすぐに見つかるわけではないことから、どうしても時間がかかるため
ボトムに到達するまで時間がかかります。
したがって、先行指標、一致指標の見方が固まらないと底打ちが
見極められないのに、肝心の先行指標、一致指標がぶれているので
非常に悩ましい。
そこが不動産の面白いところではあるのですが…
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某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
メールはこちら ⇒ nishin-for-t-ipo@hotmail.co.jp
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