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M&A、MBOの裏側で思う
運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん) |
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2011年2月7日 |
何もしてないのに捻挫した鰊です。こんばんは。
捻挫したことすら気付かず、晩御飯食べて立ち上がろうと、するといきなり動けない状態に。何なんでしょうか。
とはいえ、この腫れ具合、相当ハードな負荷がかかってしまった結果と思われます。ゴルフの打ちっ放しではここまでの大怪我にはならないはずなんですが…。
さて、最近の株式市場のニュースというと合併とMBOに尽きます。
もちろん新日鉄と住金の合併、そしてTSUTAYAを運営するCCCのMBOです。
その業界で働く方々にとっては大きなニュースであることは間違いないですが、株式市場という実態がはっきりしない所で生業を営んでいる金融関係者にとっても、色々と頭をよぎる出来事だったと思います。
私の場合、これらのニュースを聞いて最初に脳裏に浮かんだのは「また上場企業が減るのか・・・」ということ。
メガバンク誕生のきっかけとなった金融再編のときはニュース自体に興奮させられるものがありました。
それより前の時代はインターネットの普及も十分ではなく、「ホワイトナイト」や「ゴールデンパラシュート」という言葉の定義を探すために洋書を読まざるを得なかったことを思い出します。大手の書店にも大学の図書館にも吸収合併をテーマに扱った日本の専門書がなく、「海外ではこういう言葉があるんですよー」というレベルでした。
その後、M&Aバンカーという言葉が馴染むに連れて、M&Aが悪役となり、必要悪になり、いきなり日本企業が海外に打って出る手法の一つとして評価されたり、証券会社や銀行の専門部署が大所帯を抱えるようになり、紆余曲折の後に、今やM&AやMBOそのものが大きく取り上げられることはなくなりました。
当たり前の手法となった今、株式市場を通したファイナンスを見て痛感するのは「責任の半分くらいは金融機関。そして、上場企業が減ることで苦しむことになるのもまた金融機関」ということです。
M&AにしろMBOにしろ、事業会社にとってはそんなに簡単なことではありません。
アドバイザリーがいて手伝ってくれますが、社長を初めとして大変な時間と労力が必要になるわけです。
仮に競合が手を挙げたとすると、収拾が付くまで何倍ものコストがかかることになります。
単独では生き残ってはいけないから、事業会社がコストを払ってM&Aをする。
それは特に問題ないと思います。
しかし、今回の2件の根底には日本の株式市場の努力不足も痛感します。
株価が高くなるように評価されるのは経営者の仕事かもしれませんが、日本の株式市場そのものが評価されないと、結果として金融機関が事業会社の足を引っ張ってるのと変わりません。社会インフラの一つである金融機関が、日本のグローバル企業の足元を支えないと、世界とは戦えないだろうに。
私自身は非常にドメスティックな業界に足を突っ込んでおりますが、それゆえ、そのセクターの株価がボロボロになったときは、ほぼ100%金融関係者の責任のように感じました。事業会社の方の努力を間近で知ってるだけになおさらです。
幸いにして株価は戻ってきましたが、事業会社の方は地道に出来ることをやり切りました。国内の投資家が勝手に去って、勝手に戻ってきたというのが事業会社の社長の感想だと思います。
投資家を呼び込むのは事業会社の社長やIRの仕事という方もいらっしゃいますが、国内投資家がまずは海外投資家と戦えるようにならないと、ということ強く感じた2月頭でした。
何だか理想論みたいになってしまいましたが…。 |
某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
メールはこちら ⇒ nishin-for-t-ipo@hotmail.co.jp |
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