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地震を機に改めて考える
運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん) |
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2011年4月4日 |
被災された方々が一刻も早く元の生活に戻れるよう心から祈念いたします。
原発を含めて事態の収拾の目途は立ちませんが、復興に向けて少しでも進めるよう出来ることに最大限、取り組んでいきたいと思います。
鰊です。
あの日を境に人生感が変わったと言うのは大げさでしょうか?
「SQ日だが大して混乱もない一日だったなあ」と一週間を締めくくろうとしていたところに、14時46分の地震発生。
最初は「おお、揺れるなあ。でもこれで逃げたらかっこ悪いよな」と椅子の上で、隣の同僚と話していたものの、幅が大きくなるにつれて「とりあえず逃げるか」と5分以上も机の下に避難せざるを得ない揺れが続きました。
その後のマーケットの下げを見て「これくらいの揺れなら東京のダメージは少ない。阪神の比じゃない」と思い買い注文を出したものの、揺れの恐怖と精神的な興奮でマウスを握る手が少しだけ震えていたことだけが強烈に記憶に残っております。
そして、約定処理も終わらないままにビルから避難命令。「あれ?これって大きな災害になるのか?」と思い始めたのはこのあたりからです。
15時前には通じていた各証券会社への電話が通じなくなったため、メールで「一旦、避難します」とだけ連絡し、地震の影響で塗りが剥がれた非常階段で外へ避難しました。
その後、「優先順位の高い業務」ということでオフィスに戻ったものの、システムがダウンした証券会社がいくつかあり、いつもなら4時にはとっくに終わっているはずの処理が終わりません。
終わったら終わってたで会社から「とりあえず帰れー」という退社命令が出て、フロアにTVがないので電車が動いてるのかすら分からない状況で放り出されます。
駅に向かう歩道に溢れる人・人・人。影響の大きさを明確に意識し始めたのはこの時からです。
普段、何気なく「中心からやや外れたオフィス街」として認識していたエリアであっても人間が一斉に移動するとここまで容量を超えてしまうのかと。
目の前の駅に着くまでの時間すら読めない。
そして、コンビニはもちろん、ちょっと値段が高めの「マルエツプチ」でも既にカップ麺、パンが売り切れ。水もほとんど残ってない状態。
群集心理の恐ろしさ、というのは極端かもしれませんが、あの状況を目の当たりにすると「いつでも食料を調達できる」という気持ちは失います。
正直な話、自分の人生の中で「お金に困る姿」は想像してましたが、「水や食料に困る」「空気に困る」ということはまったく考えてことがありませんでした。
「高いけど質の良い物を買うか、安いけど質が悪いものを買うか」で悩むことが人生における究極の悩みだなと思っておりました。
食料調達に真剣に不安を覚え、相次ぐ原発の爆発で「俺の人生はどうなってしまうのか?」と暗い気持ちで寝床に就く日がくるなんて。
幸い、寝付きはとても良いのですぐ寝てしまいましたが、寝ても疲れが取れない日々を過ごしたのは私だけではないと思います。
10年後に振り返った場合、我々が考えるべきは何なのか。
今までの延長上で物事を考えていて良いのだろうか?
仕事の面でいえば、投資判断の基礎となる「現状に関するデータ」が全然足りないので
とりあえず様子見です。ビジネスサイクルがどう変わるのか、何が無事で何がダメなのか。
マーケットはそれなりに戻ってはおりますが、悪いシナリオを織り込んだ上で戻っているというよりは影響の大きさが分からないが、海外はしっかりしているのだから…というニュアンスではないかと。
いま見据えるべきは半年後ではなく、10年後の日本。方向性が出るにはもうちょっと時間が必要かと。 |
某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
メールはこちら ⇒ nishin-for-t-ipo@hotmail.co.jp |
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