IPO最新情報や西堀編集長のIPOレポート、FXストラテジストによる連載コラム、コモディティウィークリーレポートなど、今話題の様々な金融商品をタイムリーにご紹介するほか、資産運用フェア、IRセミナーのご案内など情報満載でお届けしています。
|
|
|
|
|
外に目を向けると米の問題、内に目を向けてもコメの問題
運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん) |
|
2011年8月1日 |
こんばんは、鰊です。
季節はずれの三寒四温というわけではありませんが、雨が降ると急激に気温が下がりますね。今日はママチャリで走り回ってましたが、ひんやりとした風のおかげでほとんど汗は出ず。
省エネで暑さに慣れてしまったのか、異常気象なのか。
昨今の豪雨と気温の変化からすると、「ちょっと今年はおかしいなあ」と思います。
長期予報を見る限りでは、ほぼ平均のレンジのようですし、7月上旬には猛暑と言われた昨年以上のペースで気温が上昇したので、「今年が冷夏なんてありえない」という印象を持っていたのですが、随分と波の激しい夏になっております。
で、こうなってくると一番気になるのが米です。
もちろん、対岸の米である米国の債務問題も予断を許さない状況になっており、ここまで緊張感が高まっているのにジリジリとしか動けない相場というのはどこかでエネルギーの歪みが一気に吹き出しそうで怖いものがあるのですが、今日のテーマは穀物の方。
如何せん専門家でもなく、アメリカの大豆やとうもろこし相場も「なんか激しく動いていたがいつの間にか落ち着いてしまった」という感想しか持ってないのですが、実は震災以降、もっとも気にしている材料です。
米所である東北地方で田植えの時期に震災が発生したこと、放射能の影響、相次ぐ台風と豪雨で日本各地で農作物に被害が出ていること、そしてコメ先物市場の創設。
数年前にアジアで発生した米不足、しばしば取り上げられるアメリカの異常気象に伴う穀物の不作懸念、そして日本で実際に発生した震災後の水不足を考えると「不安要素もあるが、まあ何とかなるだろう」と安易に結論付ける前に、ちゃんとアンテナを張っておかないとと警戒してしまいます。
今では「平和と水でさえ有料になってしまった」と嘆かれる日本ですが、それでも金さえ払えばほとんどの物は入手できる豊かな国です。
幸いにして今夏のアジア各国の穀物需給は悪くないようなので、最終手段として輸入することは可能だと思います。
ただ、輸入米に対する日本人の好みは前回の騒動ではっきりしております。
個人的には、台湾や香港で食べるパサパサした米は大好きで、ほとんどの日本食とも問題ないと思いますが、梅干しや納豆にはちょっと合わないですし。
さすがに前回のように廃棄されるような酷いことにはならないと思いますし、海外の駐在員が食べる分には抵抗がないくらいには品種改良も進んでいると聞いております(供給量がどの程度かわ分りませんが)。
食うには困らないが、どうせ食うなら徹底的にこだわるというのが日本人の良いところですが、仮に米の供給が足りないと内国米の値段は、震災直後のスーパーのような状況になるかもしれません。
なお、米の問題については今のところ目立った報道が出ていないように思いますが、小麦の値上がり、備蓄米の焼失(と言っても全備蓄量の1%弱らしいですが)など、悪い材料の方が多く出ているように思います。
そして、米穀データバンクの22年産米相場は昨年に比べるとかなりのピッチで、上昇しております。季節的な変動というよりも明らかに何らかの要因により高騰していると見受けられます。
(※米穀データバンクが小売価格にどの程度影響があるのか、明日以降に本格的にリサーチする予定です)。
こんな中で準備が進められているのがコメ先物。価格という「見えない手」を具現化するには不可欠なインフラですが、日本に限らず、商品相場というのは過度にボラティリティが高いというのもまた事実。
混乱に拍車をかける可能性もまったくないとは言い切れません。
かと言って買い溜めするにはちょっと早いしなあ…。
そういえば、米系外資系証券会社が「うどんの会」を立ち上げてましたが、ひょっとして米不足を見込んでのことだったのか。ほんと抜け目ないなあ、と思ったり。 |
某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
メールはこちら ⇒ nishin-for-t-ipo@hotmail.co.jp |
|
|