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2011/12/5
最終回。感想とこれからと
運用会社日本株トレーダー 鰊
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欧州危機から目を逸らして日本の地方都市に焦点を当てる
運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
2011年10月4日
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リーマンショックを予想した男として有名なヌリエル・ルービニNY大学教授が「欧州財政危機を封じ込めるには、残り数週間で205兆円のバズーカ砲が必要」とコメントして、ちょっとした注目を浴びております。
今、どういう状況にあるのか?ワーストシナリオはどういうものか?何が足りないのか?
欧米を中心とした金融機関は、UBSの不正トレーディングが比較にならない規模の損失を被るのか?
そして、本当に「日本にとっては対岸の火事」なのか?
いまのところ、株式と債券はネガティブに反応してますが、リーマンショック後に見られたような、噂が噂を呼んで金融機関の資金繰りが詰まるような動きはありません。日本だけここまで静かだとかえって不安になるくらいの静けさです。
そもそも200兆円あれば、誰が救われて、誰が救われないのかもよく分りません。スペイン、イタリアで危機を止めることを前提としているのか、最近は目立たないアメリカ、日本も財政の建て直しの目処は皆無です。
一方、グローバル経済から視点を180度変えて、ポイントをグッと小さく小さく絞ってみますと、日本の地方都市の安定性は面白いものがあります。
例えば、九州地方の物件のみ保有する福岡リート。中核物件はキャナルシティと博多のオフィスです。配当金はとても安定しております。
東京のオフィス市場は2011年、2012年のオフィス大量供給問題、大阪も北ヤードを中心としたオフィス供給の増加で、既存物件は苦戦してますが、そもそも地方都市は新たな不動産開発がとても少ないため、リーマンショック前後でもほとんど状況は変わってません。
基本的に大企業の支店と地域密着企業のオフィスが中心であるため、良くも悪くもオフィスニーズが限られていることから、短期売買目的で無茶な動きをするプレーヤーがほとんど参入してこないのです。
特に福岡は飛行機の便もいいので出張で事足りますし、西日本をカバーすると考えた場合、大阪に大きな拠点があれば十分なので、今更オフィスニーズが大きく増減することはないでしょう。
また、同じ日本国内でも地域変われば、住人の慣習も大きく違うことも地域密着企業に追い風です。
2006年〜2007年の不動産ブームは福岡にもやってきましたが、地元企業は「東京もんは福岡を理解しないまま無茶な開発をする」といわんばかりの冷やかさで、実際に「東京もん」が開発した不動産は軒並み苦戦。
東京の感覚で「周辺相場がこのくらいで、この立地、このグレードなら、このくらいの収入が見込める」と作った計画も、「地元の人間なら絶対にあんなところにビルは作らない」と言い切り、実際にそうなりました。
例えば、中洲に東京のファンドが作った商業施設があり、こちらの感覚で「沿線住人もいるし、商業中心地の天神から1駅なら大外れということはないだろう」と思いきや、テナントすらまともに誘致できない状況。ちょっと東京では考えにくいものがありますが、これも事実。
しかも福岡リートのスポンサーは、福岡の大地主である福岡地所を中心に、九州電力、西部ガス、JR九州、西鉄、福岡銀行、西日本シティ銀行など九州経済界勢ぞろいで、九州地盤で福岡リートよりも格付が高い企業は数えるほど。
スポンサーのバックアップ姿勢もよく、博多の商業施設としてトップクラスのキャナルシティを太っ腹にREITに売却するなんて、なかなかできるもんじゃありません。三井不動産がららぽーとTOKYO-BAY、三菱地所が丸ビルを売却するようなもんです。
もちろん地方経済の限界はあり、投資口価格のアップサイドは限定的でしょう。日本全体が大きく沈む時は、さすがに引きずられます。また、商業施設は、JR博多駅、キャナルシティの増床、天神のバーニーズNYなど相次ぐ供給で、当面は激戦が予想されます。
しかし、福岡のビルを見ると「社会インフラとしての不動産の役割」を全うしており、無駄に豪華がところがありません。東京のビルは「オフィスビルにこんなエントランスが必要なのか?」という違和感を覚えますが、福岡は良い意味で見栄を張ってないと思います。博多の高さ規制も関係あるので一括りにはできませんが、こういった土地柄の不動産は安心できます。
「成長しない株は株じゃない」と言われますが、日本は20年間ほとんど成長しませんでした。
たまにはこういう安定性に目を配ることも大事なのかもしれません。
某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
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nishin-for-t-ipo@hotmail.co.jp
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