IPO最新情報や西堀編集長のIPOレポート、FXストラテジストによる連載コラム、コモディティウィークリーレポートなど、今話題の様々な金融商品をタイムリーにご紹介するほか、資産運用フェア、IRセミナーのご案内など情報満載でお届けしています。
|
|
|
|
|
オリンパスショック、それでも株を買いますか?
最終回まであと2回!
運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん) |
|
2011年11月7日 |
みなさん、こんばんは。鰊です。
プロ野球が盛り上がってますね。短期決戦になった途端にここまで緊迫した試合が続くと、レギュラーシーズンとの差は一体何なんだ?と問い詰めたくなるのは、私が捻くれているからでしょうか?それにしても、パもセも最後の最後まで見所のある試合でした。何で井端にHR打たれちゃうかなあ…。
えー、タイトルにあるように、年内で東京IPOメルマガの執筆を終了することになりました。
初めてメルマガを書かせていただいてから6年ほどになりますが、読者の方々を初めとしてお付き合いいただいた方々には、どのような言葉をもってしても感謝の気持ちを表現しきれません。
東京IPO様という商業ベースのインフラを通して発信するということは、希望すれば誰でもできることではなく、相応のプレッシャーもありましたが、自分勝手にブログやツイッターで発信していただけでは到底得られないものを得ることが出来たと思います。
2005年以降、日経平均が15,000円を超えてくるタイミングで無数の株式ブログが誕生しましたが、今でもブックマークに残っているのは片手に収まります。更新が止まったもの、株式からFXやアジア株に移ったものが多い中で、自分がこの時までメルマガを書いていることは想像だにしませんでした。
あの頃に抱えていた問題意識やエネルギーを思い返すと、ここからさらにメルマガを5年書けるかと言われると難しいというのも正直な気持ちですが、日経平均も8000円台まで下落してサイクルが一巡したことを考えるとタイミングとしてはちょうといいのかなと思い、今回の区切りとなりました。
最近はブログも更新してませんが、メルマガ終了の話が決まって以降、良い意味で「ここでは書けなかったことを書くために再出発するために休憩」と決めており、ブログもハンドルネームも全て変更しますが、アメブロのどこかで、いずれ皆さんと再会できることを楽しみにしております。
さて、本題です。
オリンパスの騒動はご存知の通りだと思いますが、「アナリストは何でそんなになるまで放置していたのか?」というのが素直な感想です。
なぜ、M&Aの内容が開示されれば百人が百人とも「これを正当化する企業には近づきたくない」と思うような取引に対して無頓着だったのか。
いや、アナリストを名乗っていても苦手な企業があることはわかりますし、外部発信を担う職業柄、出来ることと出来ないことがあるのも理解できます。
企業の開示情報が完全ではない以上、企業の痛い腹を探るのがアナリストの仕事ではありますがそこは人間同士なので、IR担当者や社長と「気が合うか合わないか」はとても重要で、どうしても上手く話を引き出せない相手がいることも事実だと思います。
企業からすれば、嘘をつけば信用を失いますが、相手から何も言われなければ黙っていても何の問題もありませんし、アナリストの追求が止まれば、それ以上の情報開示は不要です。
また、不確定の材料をもって、「売り」と判断するのはアナリストには不可能に近い芸当です。今回のように、第三者機関のお墨付きがある場合に、「どうにも怪しいから売りにしよう」とは出来ません。
さらに言えば、報道から判断するに、「開示しなくても良いことは確認済み」「疑いを逸らすための材料を用意している」といった状況下で出来ることは皆無だったと言われれば、その通りなのかもしれません。
これがファンドマネージャーであれば、「よう分らんから売ろう」と判断してもその情報は外部に発信されませんし、実際、アナリストが表立ってコメントしにくい「監査法人の質」にとことん拘るファンドマネージャーを何人も知ってます。
しかし、他の証券会社や金融機関の判断から離れて、アナリストが一人で孤軍奮闘するのはとても勇気が必要であり、これは裏を返せば、将来のどこかで同じ問題が生じた場合に同じ結論にしかならないことを示唆するのかもしれません。
そして、この騒動の最大の問題点は、どう転んでもまともな決着にならないことです。
オリンパスの言い分に正当性が認められても株式市場は信用を失いますし、認められなくともそれはそれで株式市場の自浄作用が疑われます。
個人的に、色々なリスク管理のプロと仕事して、それなりに学問も修めた感想としては、LTCMやエンロン、カネボウといった問題を根本的に解決する術はないんだろうなと思います。
大半のマーケット関係者はそんなことは百も承知で、一線を超えない限りは問題ないという認識でしょうし、むしろそこのグレーゾーンこそが「腕の見せ所」であり、正直なところ私もそう考えております。その企業の誤魔化しを見抜いて、本質から企業価値を算出できれば怖くない、と。
ただ、大企業がここまで派手にやると何を信じて良いのか分からなくなります。
個別株式を保有するくらいなら、インデックスファンドを買う方がマシなんじゃないかと。
このメルマガでJ-REITを取り上げることが多いのは、これらの問題と密接に繋がってますが、それは次回、ここで取り上げることにします。 |
某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
メールはこちら ⇒ nishin-for-t-ipo@hotmail.co.jp |
|
|