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Tokyo IPO
http://www.tokyoipo.com/
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「消費者が支える価格.COM( http://www.kakaku.com/ )」
東京IPO編集長 西堀敬
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ここのところセカンダリーマーケットの動向を見ると、ヤフー、楽天、GMO
、エッジ、ソフトバンク等のインタ−ネット関連の銘柄群が値を飛ばしている
。ネットバブル再燃かと思いきや、これらの企業群のPERは高いとは言え、
3年前のような説明不可能な水準ではなく、成長性を加味すれば納得のいく株
価を形成している。直近にIPOしたインタ−ネット関連銘柄では、月初にI
POしたイーアクセスについての評価はすでにコラムで述べたとおりであるが、
今回はカカクコムについて検証してみたい。
先日、10月9日にJASDAQに上場したカカクコムの穐田社長にお会いし
た。同社の株価は、公募・売出価格120万円から一気に549万円まで駆け
上がり、今日の引値ベースで時価総額429億円と市場で評価されている。穐
田社長は株価については非常に謙虚な姿勢で、市場に高い評価をいただいてい
る、というコメントであった。以下、穐田社長へのインタビューを踏まえて、
日本の小売・流通市場におけるカカクコムの存在意義について筆者の所見を述
べてみたい。
カカクコムを一言で表現すると?と質問したら、「消費者の羅針盤」という答
えが返ってきた。筆者は、日本には純粋な意味でイーコマース事業に特化し、
小売・流通市場に影響力を行使できる会社は存在しないのではないかと考えて
いる。もちろん、楽天やYahooなどの自社が運営するインターネットメディア
の力を背景にイーコマースASP事業を営む会社は存在するが、彼らは消費者
に直接自らが創造する価値を提供しているのではないと考えられる。実際、楽
天やYahooで商品やサービスを提供するのは、ASPを使ってビジネスを営む
小売業者である。そのサービス提供者や小売業者の顔が表に出てこないで、運
営主体でありその仕組みを構築した会社のみがメディアや株式市場では高く評
価されているのが現状である。
カカクコムに話を戻すと、同サイトでは楽天やYahooのようにサイトでショッ
ピングができるような仕組みは存在しない。ユーザーの立場で見ると、同一商
品の比較を価格という切り口で一覧できるところにメリットがある。つまり、
商品そのものはナショナルブランドであるわけだから、その品質に関して疑念
の余地は無く、プライスを追い求めるデフレ時代の消費者には有効に機能する
サイトであるのは間違いない。しかしながら、このような真に消費者のために
なる情報提供サイトのビジネスモデルは結構厳しいものがあり、従来は正直言
って儲からないのが普通であった。ところがカカクコムはまだまだ事業規模が
小さいとは言え、前期で売上6億円、経常利益2億円を計上しているばかりか
、今中間期で昨年1年間に近い売上・利益を残そうとしている。このようなカ
カクコムの成功が意味するところは、世の中が消費者中心に動き始めていると
いう証左ではないだろうか。従来は、メーカーが市場調査を行い、消費者のニ
ーズがあるだろうと考えた商品を企画・製造し、小売業者がその商品を流通さ
せる、という川上から川下への流れがあった。ところが、豊かになった日本人
は、品質がある程度保たれているならばブランドにはこだわらず、むしろプラ
イスに敏感になっていったのである。一方では、価値観の多様化によって、逸
品物、へのこだわりが高くなり、高級ブランドやオリジナリティの高い商品に
対してはいくらでも払うという消費パターンが生まれてきているのも事実では
あるが、高級品のみで人は生活できないのも事実である。つまり商品の価値、
つまり価格は消費者が決める時代に突入したということを証明したのが今回の
カカクコムが消費者に信任されている理由ではないだろうか。
穐田社長のお話をコンパクトにまとめると、
@ビジネスモデルは永遠のものではないので常に新しいビジネスモデルの構築
が必要。
A(TVの世界は、電波を役所が牛耳っているのに対して)インタ−ネットには
今のところ規制が無いので、メディアとして確立した存在になるのは難しいが
、勝ち残れば強くなる。
B自らの競合は、消費者の求める情報を提供するすべての媒体(テレビ、ラジ
オ、インターネット、チラシ広告等)やリアルな小売ビジネス業者であり、イ
ンターネット上の情報提供者業者に限らない。
C中期的な目標に関しては、月間のユニークユーザー数を現状の400万人か
ら1000万人まで増やすこと。
D新しいビジネスモデルの展開に関しては、ユーザーのアクセスやDBを生か
した需要予測や共同購入などの買い手を利用したビジネスモデルの構築。
E事業の拡張においては、ビジネスモデルを海外(アジア)などへ展開するよ
りも、今は掲載点数(現在約6万点)を増やすことに注力する。
中期的な目標に関して、定量化された数値はお伺い出来なかったが、400万
人の消費者の声を背景に日本の流通革命推進の第一人者として目を話せない存
在となろう。
最後に、穐田社長のコメント、「個人投資家の皆さんにも是非ともサイトを体 験していただいてその価値を理解いただき、できるだけ多くの人はご利用いた
だけるサイトにしていきたい」とのことでした。
東京IPO編集長 西堀敬 nishibori@tokyoipo.com
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