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「株式投資のファンダメンタルズ分析の手法」
   
クレイフィンレイ プリンシパル 山本 潤
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いよいよ、ファンダメンタルズ分析の手法の準備に入ります。
前号までは、投資の本質に関わること、主に、複利の力を得ることが重要だ、とお話をしてきました。体調管理やリスク管理について、お話をしてきました。

今回からは、ファンダメンタルズ分析の手法です。

手法というよりは、手法の準備段階、前段階です。

毎日、ほんの少しだけでよいので、10分とか20分、ファンダ分析を続けていくための準備です。

■優先順位を整理してみる■
みなさまは、知らず知らずのうちに、すべてのものに、優先順位をつけているはずです。

わたしには、昨年、目標を設定して、できなかったことが3つありました。
ひとつは、英会話学校。そして、あるプログラム言語の習得。もうひとつは、CFAという米国のアナリスト資格です。

なぜかというと、自分の中で、それらに対する優先順位が低かったからです。

プログラム言語については、8万円を払って、コースの1/3しか出席できませんでした。
英会話は、20万円を払って、全クラスの2%しか出席できませんでした。
CFAは10万円近く、受講料と市販教材が無駄になりました。

しかし、優先順位の比較的、高かった大学の何十万円という支出は無駄になりませんでした。
優先順位の最も高かった仕事は、きわめて順調で、運用成績は、相対順位は99年に並んでよい年でした。

このように、優先順位の高いものは、成し遂げることができます。
しかし、優先順位が低いものは、成し遂げることが難しくなります。
また、優先順位に入らないものはどうか。

わたしの場合、それらは、テレビ、ゲーム、漫画、愚痴を言い合うような飲み会といったところでしょうか。
最近は、悩むことも優先順位から省きましたので、悩んでいる暇がない状態が続いています。
おかげで、いまでもSMAPのメンバーを当てることができない芸能超おんちになってしまいました。

■前準備その1) 生活を振り返り、優先順位の高い順に活動を並べてみる■

わたしにとって、ライフワークは、投資家の教育教材の作成です。
ライフワークですから、優先順位は最優先です。
子育て。家庭。この優先順位は非常に高い。
仕事。株式の運用です。この優先順位は格別に高い。
大学で学んでいます。この優先順位は、やや落ちます。
講演会やセミナーなどの社外活動。
お断りすることが多く、優先順位はやや落ちます。
しかし、引き受けたからにはしっかりとやりたい。

昨年のわたしの優先順位は、こうでした。
1)仕事&家族サービス&ライフワーク
かなり下になりますが、以後は、
2)大学
3)副業(講演会、セミナーなど)
4)CFA
5)プログラム言語
6)英語のフラッシュアップ
7)囲碁の上達
8)ピアノの上達

■前準備その2 優先順位の高いものの中で、さらに優先順をつける■

高い優先順位のものは、さらに細分化した優先順位をつけていきます。

1)の仕事を例にとると、優先順位はこうでした。
〜株式運用の仕事の優先順位〜

仕事の目的は、⇒銘柄の買い推奨。銘柄の選択。

わたしの運用の場合、優先順位は以下の通りです。

1)大量の企業の財務チェックと比較
2)国内外の工場見学
3)企業訪問取材や電話取材
4)証券会社によるスモールミーティング
5)決算説明会
となります。

アポイントをとり、スケジュールは、こう埋めていきます。
●海外出張をまず入れる(理由:日本という国の株が安いかどうかを判断した い)
●工場見学会を次にいれる (理由:どうせやるなら、個別株を深く理解し、 鋭く分析したい 。独自のアイデアが得られるから。)
●その後、個別のアポイントをとる(理由:自分だけのアイデアを試したい。 他人のアイデアは 、もう織り込まれている)
●さらに、空いている時間があれば、スモールミーティングに出る(理由:面 白そうなものがある から)
●さらに、時間があれば、決算説明会に出る。


逆向きにスケジュールを埋めると、運用はガタガタになります。

■前準備その3 最優先順位項目は、さらに細分化して、10分単位以下の行動 に直す
■優先順位最重要の「仕事」。
その中の、最重要な作業は、

1)大量の企業の財務チェックと比較でした。

この最重要の最重要項目にどう向き合うか。

こうしています。
アナリストとして、仕事をするとき、一日4社に取材にいきます。
移動時間が発生します。

自宅→オフィス→1社目→2社目→3社目→4社目→オフィス→自宅。

この→の数は7つです。

7回の移動時間がそれぞれ20分であれば、どうでしょうか。
2時間以上のまとまった時間となります。2時間。長い時間です。

わたしはは、新幹線などで、2時間のまとまった時間があるとき、最初の1時間をボーとすごして、最後の1時間にようやくやる気が出てくるという「抜け目だらけ」の性格です。
まとまった時間があるときでさえ、まじめに取り組まないのに、まとまった時間がないときに、どう取り組むかというのが、意思の弱い人間であるわたしの課題です。

アナリストであれば、20社分の短信をプリントアウトして、それを持ち運びながら、1社5分程度で解析できます。
この「1回5分の短信読み」が細切れ作業の1単位となります。

ピアノが好きな音楽家としてのわたしであれば、もっとも難しい小節の1単位を作業とします。でも、ピアノは優先順位が低いため、楽譜を持ちあるくことは年間数度だけです。

学生であれば、問題集の1問を10分間の作業とします。大学は、優先順位の比較的高い部類ですので、問題集は、必ず持ち歩いています。

結局、工夫して、工夫して、さらに工夫すると、優先順位の高いものが完璧にできて、満足が得られる。
優先順位の低いものは少しはできる。
優先順位のないものは、できなくなってしまう。


その手法は、細切れ仕事をいかに創出するか、そういう視点に尽きるというわけです。

こういう考え方で、運用を行います。

運用も、仕事も、同じです。優先順位を守れるか。優先順位の高いものから時間をつかえるか。それに尽きるわけです。

クレイフィンレイ プリンシパル 山本 潤
スローガン 「スロー・インベストメント2004 〜ゆっくり考え ゆったり投資〜」


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