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Tokyo IPO
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あなたも気が付けば通販で買い物をしていませんか? 
〜株式会社ジモス 小村社長に聞く〜
   東京IPO編集長 西堀 敬

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最近、我が家の中でいつの間にか物が増えている現象に改めて気がついた。よくよく考えると外に買い物にいった覚えがないのに、机、椅子、書棚が新しく入れ替わっている。もちろん、知らないうちに入れ替わることはないのだが、実物を手にとって吟味しないで通販で買っているのである。家内に聞くと、特に健康食品関連などは、キャッチコピーにつられて、ついつい電話をしてしまうそうだ。どうしてこんなことが起こってしまうのであろうか? 簡単なものはコンビニで買う習慣が身に付き、ついこの間までは、良く吟味しても買うか買うまいか迷っていたものを電話一本で買ってしまう。このような消費行動をするようになったのはなぜだろうか?
従来型の日本の流通は、川上のメーカーが商品企画を行い、大量生産を行って、大枚を叩きマスメディア媒体を買って宣伝を行い、消費者に近いスーパーマーケットに商品をおいて販売する、という仕組みであった。つまり、消費者の価値観は無視されていたというよりも、価値観を作り上げていたのが川上にいたメーカーだったわけだ。ところが、日本も豊かになって、耐久消費財に限って言えば、すでにこれ以上家に置くものはないというほど物であふれた住まいになってしまっていることは誰もが否定できるものではないだろう。

前置きが長くなったが、3月5日にJASDAQ市場に上場した株式会社ジモスの小村社長にお話をお伺いした。
目論見書を読むと、誰もが当社はオリジナル化粧品の企画・販売事業を行っている会社と考えてしまう。それもそのはずで、化粧品ブランド「マキアレイベル」の連結売上高に占める割合は、14/6期で92.9%、15/6期で85.0%と圧倒的な構成割合となっている。しかしながら、最近は健康関連食品等他商材の売上の伸びも著しく、数年先には化粧品の比率もかなり下がっているかもしれない、という発言も飛び出した。それでは、当社はこれから一体何を売るのだろうか?という疑問が出てくる。
小村社長の構想によると、現在は将来のための実験場のようである。つまり、どのような商材であっても、きちっとしたプロダクトストーリーがあれば顧客に訴求できるはずと考えている。重要なのは、コンシューマーへの情報の出し方であるという。たとえば、当社が扱っている、「無農薬青汁」の場合は、無農薬有機栽培に取り組んで30年の歴史を持ち農林水産大臣賞をなどの多くの賞を受賞した長崎の北村親ニさんが作った緑茶を使用、と謳い、健康と環境への気遣いを消費者にアピールしている。消費者の購買意欲をくすぐるよなキャッチコピーを考え、そのうえに品質にもこだわる精神で商品を開発・販売するのがジモス流のビジネスである。しかしながら、小村社長は、自らは流通業でもなく、川上のメーカーでもない、商材の付加価値マーケティングを行う会社であるという。

当社の成り立ちを振り返ると、もともとは広告代理店として事業をスタートした経緯がある。マーケティングプランを顧客の売り込む前に、自らが独自に企画した商材をジモス流マーケティング術で実戦・成功した手法でメーカーにマーケティングプランを売り込むのが当社が目指すところだ。従って、当社の商材のマーケティングにおいては、ジモスという社名を前面に押し出さずに、商品ブランド名を常に表の出してマーケティングを行ってきている。このことは、他社の商材であっても、同一のマーケティング手法で販売を可能にすることができるということである。
当社が提供するマーケティングプランは、大手の広告代理店のようにプランニングのみを請負い、インプリメンテーションは別会社に委託するのではなく、当社が保有するダイレクトマーケティング(通販)という流通の仕組みの中で完結するようになっている。昨今は、CPO(Cost per order)= 新規顧客獲得コストへの意識が高まり、マーケティングにおいても、費用対効果を厳しく追及するメーカーが多くなってきている。従来型のメディアバイイングにコストを使うマーケティングでは効果の実測が困難であり、より計測可能な手法へとシフトしている。また、川上から川下へマーケティングする時代は終わって、川下(消費者)にどれだけ支持されるかが非常に重要なポイントとなってくる。その支持度を測るためのテストマーケティングを行い、結果を見ながらマーケティングエリアを広げていくというCPOを意識した展開を行うのがジモス流のマーケティングである。

日本の通販市場は2.6兆円。毎年20%成長で拡大している。ダイレクトマーケティング(通販)において、新しいスタイルの確立を目指すジモスであるが、ここ数年の成功体験をもとに他社商品のマーケティングサポートまで視野に入れば、当社の今後の成長は通販市場の成長を凌ぐ勢いとなる可能性を秘めている。また、従来型のマーケティングプランを提供してきた大手広告代理店もその手法について見直しをせざるをえない状況がいまそこにあるではないだろうか。

株式会社ジモスホームページ ⇒ http://www.jimos.co.jp/

東京IPO編集長 西堀敬 nishibori@tokyoipo.com

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