運用を成功させるためには、大切な要素がいくつかありました。
いままでの復習です。
自分を律すること。
@健康で長生きであること
A優先順位を決めること
B細切れの時間でできる作業を用意すること
運用に関しては、
Cリスク管理を徹底すること(損切りルールを守る)
D多数の銘柄の中から候補を選び出すこと(比較を沢山すること)
さて、今回は、大きな視点で比較をする練習をしたいと思います。
■人口の比較■
各国の人口を比べてみます。
国名 人口(万人)
中国 126,583
インド 102,702
アメリカ 28,142
インドネシア 20,600
ブラジル 17,600
パキスタン 14,903
ロシア 14,550
ナイジェリア 13,280
バングラディッシュ 12,925
日本 12,750
メキシコ 10,320
ドイツ 8,254
フィリピン 7,650
エジプト 6,920
トルコ 6,784
イラン 6,490
タイ 6,346
フランス 6,008
イギリス 5,884
イタリア 5,784
韓国 4,778
■一人当たりの時価総額■
時価総額とは、株式の発行数×株価です。
東証の時価総額は全体で、340兆円。GPDの60%程度をしめています。
各国の時価総額を算出して、人口で割り、一人当たりの時価総額という指標を
出してみました。
データは2002年です。
国名 国民一人当たりの時価総額(単位円)
アメリカ 5,398,149
イギリス 4,145,235
フィンランド 4,036,640
オランダ 3,126,818
シンガポール 3,102,688
スウェーデン 2,861,489
カナダ 2,569,420
フランス 2,150,251
アイルランド 2,112,954
オーストラリア 2,088,767
デンマーク 1,945,095
日本 1,942,741
ノルーウェイ 1,669,437
ドイツ 1,428,306
スペイン 1,260,767
イタリア 1,003,001
クエート 944,182
ギリシャ 870,126
イスラエル 774,970
韓国 572,177
マレーシア 555,480
ポルトガル 493,435
ニュージーランド 488,923
南アフリカ 482,385
サウジアラビア 374,275
チリ 347,790
オーストリア 342,277
アルゼンチン 313,782
スロベニア 254,603
ジャマイカ 245,107
アラブ首長国連邦 231,176
オマーン 188,700
エストニア 186,923
ベルギー 177,801
チェコ 170,393
ヨルダン 149,917
ハンガリー 143,635
ジンバブエ 136,796
ボツワナ 110,836
メキシコ 109,933
パナマ 101,138
クロアチア 98,505
ロシア 93,895
ポーランド 82,572
タイ 79,881
ブラジル 77,379
フィリピン 56,109
トルコ 55,062
ペルー 54,161
リトアニア 45,980
モーリタニア 44,448
中国 43,983
エジプト 41,479
レバノン 38,528
モロッコ 33,750
コロンビア 25,560
チュニジア 24,805
ルーマニア 23,120
ボリビア 20,683
ベネズエラ 18,389
イラン 16,447
インドネシア 16,015
エクアドル 16,013
インド 14,032
リビア 14,025
ブルガリア 10,117
スリランカ 9,727
カザフスタン 8,937
モルドバ 8,790
パキスタン 7,529
ケニア 5,458
ウルグアイ 5,039
ナイジェリア 4,755
ガーナ 4,132
マケドニア 2,493
グアテマラ 2,148
バングラディッシュ 1,015
■バングラディッシュは買い。アメリカは売り■
実は、日本よりも、バングラディッシュは人口が多いのです。
しかし、バングラディッシュの一人当たりの時価総額はたったの1,000円
です。
実に、米国の1/5000です。
わたしなら、アメリカを空売りして、バングラを買い持ちにします。
そのポジションを10年は続けてみるつもりです。
日本は、どうでしょうか。
一人当たりの指標でみると、米国や英国に比べて過少評価ですが、ドイツより
は高い。
高くはないという程度でしょうか。
韓国はどうでしょうか。
日本よりも相当安い。
米国の1/10です。
英国は、どうしてこんなに高いのでしょうか。
多分、金融を牛耳っているからでしょうか。
投資の王国だからでしょうか。
一方、中国や日本やドイツなど、物つくりは付加価値の低いビジネスと見なさ
れているのがわかると思います。
アリとキリギリスのアリ。それが中国や日本やドイツです。
国として、儲かるシステムを持っているのは英国や米国です。
延々と働かされているのは、昔は日本やドイツ。いまや中国やインドというと
ころでしょうか。
賢明に働いてお金持ちが増えていけば、1人当たりの時価総額というものも増
えていくと思います。
人間が生まれてから死ぬまで、トータルで消費する食料や飲料や衣服の量はあ
まり変わらないのに、どうして、これだけの格差が出てくるのでしょうか。
米国人は、バングラディッシュ人より、5000倍の時価総額ですが、これは
大きすぎるギャップです。
そういうギャップを埋めるような努力をするのが、運用の仕事です。
ギャップを埋めるために、ヘッジファンドは、高い国を売り、安い国を買うの
です。
いってみれば、浪費大国贅沢大国の米国を売ることは、地球環境を守ることに
もなるのかもしれません。
バングラディッシュを応援して、米国を批判する。
弱きを助け、強きをくじく。
それが運用の極意です。
山本 潤
スロー・インベストメント
〜ゆっくり考え ゆったり投資〜
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