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Tokyo IPO
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気分一新で「確認」する月の始まり
日系投資会社在籍
P.N.候鳥(わたりどり)
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日本では4月が気分一新の始まり月だ。心理的に、変化待ちの一年は長いが、動く一年は短い。昨年の今ごろ、日本の証券市場は泥沼にはまり込み、重みで一歩が踏み出せず、ようやく上げた片足を下ろせば、また泥に足を取られることを繰り返していた。その半年後には清流歩きに変わり、突然岩盤の上を歩き出した。

 これによって変わったのは市場のマインドだ。その中でもとりわけ大きいのが、個人投資家による、小型株への投資指向だろう。@景気に回復感が出てきた、Aネット取引が普及してきた、B何よりも、小型株投資が高いパフォーマンスを上げ始めた、がその背景にある。
個人が、というのは、その存在感が高まっているからだ。昨年4月第一週と今年3月最終週の2時点比較で言えば、ジャスダックの個人買い株比率は63%から78%へ高まった。ヘラクレスでは62%から89%へ上昇した。もともと高い個人参画比率が、一層高まる展開になってきている。
これによって、時価総額をベースに算出されるジャスダック指数は39.16から91.64まで134%も上昇した。日経225は46%。ハンセン指数も46%の上昇だから、日経225の反転は市場平均並み。小型株市場の伸びが平均以上な訳だ。

小型株市場への資金流入は、PER水準を30倍近くにまで押し上げてきたが、これによって新規公開市場では出口へ急ぐ起業が増え始めている。これまでは、ビジネスモデルを黒字化させた企業だけの話だったのが、赤字企業も手を上げ始めた。ITバブル時に高値の公募増資を実行し、資本金の食い潰しつつあった企業でも、かつての算定株価を意識した新たな資金調達や株式公開を検討しようとしている。

俗的に言えば、ミニバブルの復活だ。それでも、デフレよりはインフレの方がましだ、と考える投資家の増加が、市場を賑わせている。だが、ここからの買い上げには、マインドだけではなく、本当のインフレと本当のバブルが必要だ。そして何よりも業績が。本当の景気回復が。長い待ちの後に来る急騰を捉える時間は短い。それが過ぎたのかどうかの確認が4月に始まった。 
     

日系投資会社在籍 P.N.候鳥(わたりどり)

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