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「5月の教訓」
日系投資会社在籍 P.N.候鳥(わたりどり)
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5月上旬に用意した原稿は、株式市場が急落する前夜のものだった。原稿の内容は、金利高は小型株高に繋がる、という従来の主張を蒸し返したものだった。その根拠に@個人投資家主体の市場へ変化したので、外部環境に影響されにくい、A3月決算は好業績なので、下げる理由は乏しい。だから、大型株は下げるだろうが小型株の腰は強い、という主旨のものだった。
しかし、その原稿掲載予定日は、まさに株式市場が反落した真っ最中。編集者が気を利かせて原稿を没にして下さった。お陰で、私の面子は潰されずに済んだ。付き合うべきは、良き編集人だ。
さて、反省するべき点は何だろうか。それは、個人資金の性格を知らなさ過ぎたことだ。個人の資金はこれまで、最も困難に耐え得る長期資金だった。ところが、個人が主体となった小型株市場での個人資金は、常に一定の資金量を株式市場へ固定化しなければならない機関投資家とは異なり、臆病で逃げ足の速い資金に変貌していた。逆に、市場が悪ければ、いつまででも参入を見送れるお大尽の資金になっていた。
従って、大型株市場が悪いと見れば、直ちに株式市場そのものを敬遠して撤収を進める資金になっていた。先の原稿で、大型株は5月が売り場になると指摘したのに、小型株の腰は強いと結論付けた誤りはここにあった。
もう一つは別の反省だ。5月28日上場のクラウディアは初値倍率が1.6倍だった。これで、1倍以上は連続98社。新規公開人気は、セカンダリー市場の急落過程でも維持されていたわけだ。
5月28日の長期債利回りは1.51。かねての主張がここで頭を擡げる。やっぱり、小型株は強いじゃないか、と。その意味では、大外れの見通しでもなかったじゃないか、と。
ただ、相場感というものは、時期と幅を正確に予測しなければ何の意味も為さない。大勢の動きを読めていなければ、いつの時代にも後になってから、ほらそうだっただろ、としたり顔をする人は居るものだ。そんな原稿を書かないようにと戒めている。3つ目の反省だ。
ところで、10社移動平均での初値倍率は5月26日で天井を付けた可能性がある。
日系投資会社在籍 P.N.候鳥(わたりどり)
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