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世間は普通に戻りつつある
日系投資会社在籍 P.N.候鳥(わたりどり)
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10社移動平均で見た初値倍率は5月26日で天井をつけた可能性がある、と前回記した。その段階での倍率は3.49だったが、6月24日時点では2.74。5社移動平均では2.11にまで低下してきた。この間は一貫低下だから、一応は予測通りの動きになっている。
5社移動平均ではこれまでの平均的水域にまできた。10社移動平均がこれまでの人気上乗せ分を落としきるのは間もなくだ。その間は反転しにくいが、これは「普通」化運動だ。
だからといって、IPO市場全体が悪化するわけではないことを、この間の市場急変が教えてくれている。5月の急落急騰は、高品質銘柄の選別がよいという真理を教えた。
例えば安田投信が販売しているグローイング・アップというファンドの基準価格は5月17日に24,924円にまで低下したが、6月25日には32,340円にまで回復した。4月30日との比較では27%下落したが、そこから29%も上昇した。5月の株価崩落を乗り切った格好だ。
6月18日現在の報告書によれば、組み入れトップは日本エイム、2位はアルバイトタイムス、3位アセットマネージャーズと続く。上位10銘柄の中で7銘柄はサービス業だ。この組み入れ姿勢が、市場の変動を乗り切り、基準価格では久しく抜けなかったインベスコ店頭を抜き差ってしまった。
当然のことながら、市場全体が同様な動きになっているわけではない。ジャスダック指数は5月の下げ局面で▲15%しか下げなかったが、そこからの反発は13%の上昇に止どまっている。市場が大きく変動する時、業種と銘柄選びの差が極めて大きく出てくる。
学生援護会の調査によれば、5月のアルバイト賃金は4月から引き続き上昇している。傾向としては昨年までの停滞から脱しつつある。求人の増加が賃金へ反映され始めたためだ。必ず人間の判断と手を煩わさなければならないサービス産業は回復期に入った。これは、動きが正常化してきた証左だ。
サービス産業の銘柄が強く、優秀企業は正当な評価を受け初めている。IPO市場では、新規公開なら何でもよい、から正当な評価を下す動きで初値倍率が巡航水準にまで低下してきた。政治を除いて、日本は正常化に向かっている。
日系投資会社在籍 P.N.候鳥(わたりどり)
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