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投資を考えるシリーズ〜8.本物の投資家になるために
株式会社KCR総研 代表取締役 金田洋次郎(証券アナリスト・IRコンサルタント)
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最近、日本経済は、明るさを取り戻してきたという経済指標が相次いでいるが、日経平均は弱含み。とうとう節目の11000円を割り込んでしまった。新興市場の株価に至っては、ピーク時の半分になる銘柄も多数ある有様である。ついこの間まで、連騰に次ぐ連騰といった相場だっただけにここへ来ての急落で、けっこうふさぎこんでいる投資家も多いのではないか。しかし、株価に一喜一憂していても仕方がない。「山高ければ谷深し」株価そのものの動きは今も昔も変わらない。こんな時こそ、本物の投資家の真価が問われる時でもある。あなたは、今、自分の保有銘柄の何を見ていますか。株価ですか、会社そのものですか。 

余談になるが、「もうはまだなりまだはもうなり」と相場の格言にもあるとおり、株は、絶対に売りのほうが難しい。先の格言は、必ずしも売りだけのことを言っているわけではないが、特に売り時に関して、投資家の心理を見事に表現しているだけに面白い格言である。私が、「株価ではなくて会社を見なければならない」とつくづく思うのは、特に売りの局面である。株式投資は、いざ上がり出したらどこで売ったらよいのか分からなくなるから悩ましい。もうこのへんでと思って、売却したらとたんに急騰、まだまだなんて思ってたら、急落して元値に戻ってしまうなんてことは、投資家なら誰でも経験している苦い経験だろう。こうした売りのテクニックの一つとして、最初から30%上がったら売却とあらかじめ売却目標を決めて売買を実施する方法がある。株式投資はクールでなければならない。揺らぐ投資家心理を未然に防ぐ手法としては、よい手法の一つである。しかし、このルールの場合、仮に倍になったら売ろうと決めて投資をした際、失敗する確立は高い。株の世界で倍になる銘柄なんてちっともめずらしくないが、投資対象全体から言えば、やはり絶対数として数は少ないといえるからだ。したがって先の投資手法は、10%〜30%程度の小幅な利幅をとるのには適しているが、倍や3倍といったパフォーマンスを目指す投資手法にはあてはまらないということになる。

私が読者の皆様に勧めたいのは、はっきりいって少なくとも倍、実際に目指すところは10倍の利幅を目指す投資手法である。本物の個人投資家として、株の世界で活躍するには、是非この投資スタイルを極めて欲しいと思う。この投資スタイルを身に付けた投資家は、これまでパフォーマンスが多少へこんでいてもあっという間にこれまで以上の投資回収ができることだろう。そのための第一歩として、株価ではなく会社を見る目を培ってほしいものである。

さて、私は、前回のコラムで本物の投資家になるための実践編では、二つの講座しかなく、すなわち「対象企業をどのように分析評価するのか」ということと、「株価水準をどのようにみるのか」という二点だけであると言った。またさらに、成功した投資家は、成功の手法をなかなか開示しないとも言った。しかし、実はこうしたことを示唆して実践し、何冊もの著述で私たちに大きなヒントを与えてくれる世界的投資家がいるのだ。バークシャー・ハサウエィという世界最大級の投資顧問会社をご存知だろうか。ネブラスカ州オマハという街に本社をかまえている。米国の証券街というとすぐにウォール街を思い浮かべるがネブラスカ州というとピンとこない。ニューヨークとサンフランシスコのちょうど真中ぐらいに位置していて、極めて牧歌的な街である。投資を少し勉強したことがある人なら、バークシャー・ハサウエィは知らなくともウォーレン・バフエットの名前を知らない人はいないだろう。彼こそがハサウェイ社の代表なのだ。米国では、ビル・ゲイツについでの富豪といえ、またビル・ゲイツ本人が深く尊敬する人物でもある。ハサウェイの資産規模は、5兆円。彼はどうやって今の資産と地位を築き上げたのだろうか。そこに本物の投資家になる大きなヒントが隠されているのだ。


株式会社KCR総研 代表取締役 金田洋次郎
          (証券アナリスト・IRコンサルタント)

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