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新規公開株式情報の東京IPO
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10月は選別しての初物食いに
    日系投資会社在籍 P.N.候鳥(わたりどり)

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先回、9月は再び強気感と述べた。ここで大事なのは、何に対してか、ということだ。ジャスダック平均は月初の1,859から22日には1,766へと下げた。5%の下げだ。同じ期間にマザーズ指数は15%、ヘラクレス指数は11%下げた。新興市場の指数は全て下がった。それでも、先回の見通しは当たっていたと思う。
IPOだけでみれば、初値倍率が平均して1.55倍で推移しているからだ。初値が公募価格を割る状態には至らず、市場全体の流れとは裏腹に、新規公開銘柄を買う動きが強いからだ。先回の主語をIPOとしていたことを想起していただきたい。

この動きは、調整局面を迎えている。今年1月を起点に、株価指数がどうのような動きをしているかを比較してみると、大きく二つのグループに分けることができる。上昇しているグループと、殆ど横ばい状態にあるグループだ。

前者の代表は新興市場の指数で、後者は東証指数などだ。両方のグループ間を行き来している数少ない指数に長期債利回りがある。6月ごろに上昇グループ入りし、9月に入ってから横ばいグループへ吸収された。注目され続けたIPO市場が転換期にきていると考える第一の要因がこれだ。

9月の初値倍率は22日段階で平均が1.7。これは8月平均の1.55を上回っている。9月が強いとした見方が当たっていたでしょう、と主張しているのはこの実績に依存している。

10月の日銀短観は景況感の回復が続くと発表されそうだ。しかし、長期金利の急落は日米同時で、投資家心理は原油価格の上昇が産業と消費を停滞されると読みはじめている。

7月公開銘柄で1ヵ月後株価が初値を維持していたのは15銘柄中1銘柄だけだったが、8月公開銘柄は22日段階で5銘柄中4銘柄が初値を上回っている。

10月には新規公開がすでに17社も発表されているのに、値保ちの良さが好調なのは、短期値幅とりと同時に、バリューのあるものを中心に保有期間を延ばそうとする考えが芽生えてきている可能性を考慮すべきだろう。短期の値幅取り一辺倒から個別物色への変化が見え始めた訳だ。何でも初値を取りに行く短期投資一辺倒から、内容を吟味する投資への転換期と考える所以だ。

日系投資会社在籍 P.N.候鳥(わたりどり)

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