早いものだ。何から?。先月書いてから、昨年書いてから、バブルが崩壊してから。こうしたことへの反省は、市況というものには水準にではなく、方向感にリズムがあることを気づかせてくれる。
ジャスダック指数で12月を振り返って見る。ITバブルあった2000年以降を見ただけでも、大納会までの数日は上昇に向かう性向があることが分かる。月初は高安マチマチだが、どちらかと言えば明るい話題が出てくることが多い。ただ、方向感を決めるのは東証の動きだ。
方向感を決めかねているときに水を注すのは昨年も、一昨年もインテルだった。方向感を決める材料がないので、海外の動きが注目される訳だ。インテルの決算が予想通りかどうかは市場を動かす力を持っているが、それはマインドを増幅させる。
中旬にかけては日銀短観を見るという停滞感が出る。基調は動きたくないので、良ければ織り込んでいたことになるし、悪ければ先行き不安で売られる。どちらにしても中だるみだ。これは、月末の買戻しのための条件作りだとも言える。
そんな状態なのに、月末にかけて買い戻されるのは、新年に対する期待と、株式分割への権利取り買いが膨らんでくるからだ。本当の年末になってくれば、薄商いの中を、時価総額上位の銘柄や新規公開の需給に難がある銘柄が物色されやすい。どちらにしても、月末には買い戻し運動が起きる。
もっとも、こうした知恵や経験則があっても儲からないのが市場というものだ。こんな浅知恵が有効な市場ならば、新規参入者は負け続け、老獪な相場屋が常勝のはずだが、現実は誰にも損得が生じる。それでも言えるのは、下げても月末には上昇の動きが出てくるという安心感だ。これを信じるならば、12月という月の全体感は、下げても小幅、上げても小幅なので下げリスクを大きくとれる。上げれば大きい博打にはもって来いの月だ。
では、どんな銘柄にウェートをかけるべきだろうか。一つは直近公開、もう一つは分割権利落ち銘柄、来年の景気停滞を考えれば、早めに正直な下方修正した銘柄も要注意とすべきだろう。過去の反省と、目先を睨んだ反省結果だ。
日系投資会社在籍 P.N.候鳥(わたりどり)
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