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新規公開株式情報の東京IPO
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期待は様子見から始まる
  日系投資会社在籍 P.N.候鳥(わたりどり)
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2月8日から今年のIPOが始まる。この日以降に予定されているのは19社。営業日数は14日なので、1日平均は1.3社。供給過剰を意識する見方が出て来るかも知れない。だが、現実の展開は期待の方が大きいのではないだろうか。

理由は簡単だ。個人投資家が、この市場への関心をこれまで以上に高めている可能性が高いからだ。2005年今年1月の前半までで個人投資家は株数の73.9%を買ってきている。昨年の同期は53.5%だった。

基本的に、個人は売った資金を原資に買いに回る。このため、懐具合が潤っているかどうかは大きな新規買いの誘引を作る。週間別に見て、昨年12月の第4週から個人の平均売り単価は1000円を超えてきた。12月最後の2週は、売り単価が買い単価を上回っていた。個人は利食えている可能性がある。

市場の動きを見ると、方向感に変化が出てきている。大きな点は、公開3ヵ月後株価の回復だ。短期的な売買が繰り返される新規公開銘柄は、時間を経れば株価が低下していく傾向が強い。このため、初値からの乖離は1ヵ月後よりも3ヵ月後の方が小さくなることが多い。

ただ、昨年の場合で言えば、第1四半期には公開3ヵ月目の平均乖離率が、1ヵ月目を上回った。時期的に、公開銘柄が減少すれば、余裕資金が直近公開銘柄へ向かうことで生じる現象だ。

昨年10月以降の公開銘柄が1月に入ってから3ヵ月目株価の特定が可能になってきた。これで見れば平均で1ヵ月後にはマイナスだった初値との乖離が、3ヵ月後ではプラスになってきている。平均売買単価の水準と考え合わせれば、個人投資家は、買い姿勢を高めて新たな年に臨んでいる。

その新しい年の第一号は外国籍の「日本企業」でバイオ。一般にバイオは実益を稼ぎ出すまでの時間が長い。時間の長さはリスクを高める。そんな会社が登場してくることで、市場は市場そのものがどんな反応を見せるのかを試そうとしている。買い姿勢の強さを持ちつつも、カナリヤの歌声を聞きながらの取り組みとなる。供給が多くても、個人の関心は個別の動きがどうなるかでしかない。供給過剰など、意識されまいと思う。
   
日系投資会社在籍 P.N.候鳥(わたりどり

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