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ライブドアは誰と戦っているのか?
  株式会社ティー・アイ・ダヴリュ ジェネラルパートナー 藤根靖晃
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ベンジャミン・フルフォードというカナダ人のジャーナリストが居る。彼は、「ナイト・リッダー」、「The Nikkei Weekly」の記者を経て、現在は「フォーブス」誌のアジア太平洋支局長になっている。彼の代表的な著作は『日本がアルゼンチャン・タンゴを踊る日』、『ヤクザ・リセッション』、『泥棒国家の完成』という3部作(いずれも光文社)であるが、共通して訴えていることは日本という国は「政・官・業・ヤクザ」の鉄の四角形が支配しており、これが日本を滅亡に導いているという趣旨である。また、そうした現実を何故、日本のマスコミは報じないのかということについては、最新刊の『日本のマスコミ「臆病」の構造』(宝島社)に述べられている。

さて、フルフォードについては興味のある方に読んでいただくことにして、ライブドアのニッポン放送買収に関する報道を見ていると不自然なものを感じずにはおられない。

政治家、財界人の発言、金融当局、取引所の動きともにライブドアの今回の買収に関してネガティブなものとなっている。まだCBの転換が行使されていない段階から電波法における外資規制を問題視する必要性があるのだろうか?投資銀行であるリーマンが放送局を運営する可能性があるのだろうか?そもそも電波法における外国人の持株比率20%未満という外資規制はメディアが多様化した今日において適法なのだろうか?ライブドアが立会外取引の欠陥を利用したことが批判される一方で、フジテレビのTOBの目標株価数引き下げと上場廃止を狙った株価引き下げ策への批判は消極的なのだろうか?

NHK問題と一緒にしてしまうのもどうかとは思うが、放送局は他のマスコミとは違い免許が必要となるだけに、政治と行政の圧力に強くさらされているのは明白だろう。フルフォードはメディア(新聞、TV局)と政治との癒着を指摘している。そうであるならば、地上波放送は大衆への影響を強く持つだけに、外資系はもとより政・官の意向に沿わない事業者が登場することは好ましいことでは無いだろう。ソフトバンクがテレビ朝日の買収を断念したのもこうした構造を理解したからでは無いだろうか?今後、ライブドアに好意的な記事は一部の大衆マスコミを除けば期待できないかもしれない。大衆とライブドア(堀江社長)との切り離しがじわじわ進行するだろう。

ライブドアが戦っている場所は資本市場であり、戦っている相手はフジテレビ(だけ)であるならば、まだ勝ち目があるかもしれない。もっと巨大な相手を敵に回してしまったとするならば、仮に過半数のニッポン放送株式を得たとしても勝ち目は薄い。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュジェネラルパートナー 藤根靖晃

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