2月の最初に、様子見から始まると書いた。その様子見は18日に一旦調整したことで終わったのではないかと思われる。大発会を基準にした新興市場の指数をグラフにすれば、年初から上げていた株価が2月18日に下げて一山を形成し、そこから再び上昇軌道を描いている。
この過程では、動きの鈍い直近銘柄が売られた。新規公開銘柄へ過剰期待を寄せた資金が特定銘柄へ集中する動きを見せたのだ。詰まり、選別色が強まった。
ならば、プロの目から見た選別結果はどうだろうか。新規公開銘柄で重点運用し、高いパフォーマンスを上げているファンドの一つに、安田投信が販売しているグローイングアップがある。基準価格ベースで比較すると、このファンドも指数に連動して2月18日に底をつけた。そこで、この日を基準にその後の動きを指数化して比較すると、それまでの期間では東証マザーズ指数に負けていたグローイングアップが、2月18日以降は逆転していることが分かる。同様な動きを見せているオープンファンドにはインベスコ店頭もあるのだが、グローングアップの動きは際立っている。
そんなファンドでも、年初来からの基準価格成長は3月25日現在で9.5%。これは日経ジャスダック平均の12.5%を下回っている。これはマザーズ指数よりも上でヘラクレス指数よりも下にある水準だ。だからと言って、新規公開銘柄での運用専門家が、左程の成果を上げていないともいえない。ジャスダック平均は株価平均ベースだが、同じ市場を時価総額の推移で指数化したジャスダック指数で見ると6.1%の成長でしかない。
つまり、時価総額比較で見るとオープンファンドの運用成績は優れているといえる。専門家の選別眼は馬鹿にできないことを示唆している。これは、2月18日を境に市場平均の一部を逆転してきたことからも窺えることだ。
話は、様子見だった。これは一段落した。その過程で進んだ選別が大事だった。この運用差はパフォーマンスに現れている。さて次は、が4月の焦点だ。この月は、新規公開が活況期に入る。ペイオフ解禁と景気状況の上向き感も期待できる。再びIPO銘柄何でも人気が復活する可能性がある。
日系投資会社在籍 P.N.候鳥(わたりどり |