皆様はご自身が新車を購入されたときにコーティングを施されたことはあるだろうか? いつもワックス洗車を行うことを考えれば、少々高くても一時コストでコーティングしておけば何年にもわたり輝きを維持することをご存知の方は多いだろう。売却する時にコーティングしておけばよかったと後悔された方もきっといらっしゃるはずだ。では、新築のマンションを購入されたときにリビングの床をコーティングされている方はどれくらいいるだろうか? 筆者も今から10年前にマンションを購入したが、そろそろフローリングもリプレイスの時期かな、と考えたりしている今日この頃である。つまり、コーティングはせずに今日まで放置してきたわけだ。今回、アライヴ コミュニティの福岡社長のお話を伺ってリフォームしたら絶対にコーティングしようと考えた次第である。
現在、福岡社長は若干30歳である。IPO企業の社長の多くは、サラリーマンを経験しているが、大学を卒業してすぐに起業している。学生時代から不動産業を営む父親の事業を手伝う中で、町の不動産屋はマンションやアパートを紹介や販売するだけで家の中のことまでフォローしていないことに気づく。卒業と同時に学生時代に貯めたお金で有限会社を設立し、空気清浄器、浄水器、セキュリティーグッズなどを販売する事業からスタートした。
ある日、営業で新築マンションに住むお客様を訪問した際に、リビングルームの床をワックスかけで苦労をされている奥様に出会い、代わってコーティング加工を行った。床にワックスを塗ることは一般的であるが、それより、若干高級なコーティング加工を施すことは当時一般的ではなかった。社長自ら、モップでコーティング材を丁寧に施し、その仕事を終えた後に「ありがとうございました、助かりました」というお客様の言葉にビジネスチャンスがあると考えたのがコーティングビジネスの成り立ちである。
当社のメイン事業であるコーティング加工ビジネスは、ニッチであり、ありそうでなかったビジネスだと言えるが、前期は当社の約32億ある売上うちの5割強を占めている。また、当社は住宅室内にコーティング加工を施すことに加えて、住宅のリフォームやインテリアなどの物販も手掛けており、お客様のトータルハウスケアサービス業としてのポジションを築こうとしている。
コーティング加工についてもう少し詳しく説明すると、住宅の中でコーティングを施す個所はフローリング、壁から台所の水回りなどの部位に及ぶ。いったんコーティングを施せば、約5年間は美観を維持することができるうえに、直射日光などを防ぎ耐久性を増すといった効果があり、新しいマンションに入居する際に万全の備えをしたいという入居者に十分な動機付けを与えうる。
次にビジネスモデルであるが、マンションの室内コーティングの価格は新築マンション一戸あたり30万円程度。首都圏における分譲マンション平均価格は4000万円程度であり、住宅価格の1%弱程度の価格設定となっている。車のコーティングコストが車体価格に対して、約1%であることが価格設定の基礎となっているそうだ。首都圏では毎年16万戸のマンション供給があり、しばらくこの数字は横ばいが続くと当社は見ている。当社が手掛けている案件数は新築マンションの件数との比較においてまだ8.5%程度と低いが、5〜10年周期で行われるリフォームに合わせて当社がサービスを提供できることも考えれば対象となる住宅の母数は相当数と言える。
新規顧客の開拓は、マンションデベロッパーやマンション管理会社と指定工事会社契約を締結し、顧客紹介を受ける仕組みを構築している。また全国に11箇所に支店を開設し、全国展開できる体制を敷いている。今後の営業展開は、支店数を増やすのではなくて、個々の拠点の業務を拡大させる方法で顧客開拓を行いたいそうだ。
当社の株主価値創造であるが、先日発表された2005年2月期の決算数字を見ると、粗利率は前年比微減となったものの、販売管理費率は前期比で10%程度減少している。つまりスケールメリットが出でてきたことを意味している。福岡社長の説明によると、コーティングビジネスの粗利は高いが、リフォーム・物販事業は競争が激しい上に利益率も厳しいそうだ。二つのビジネスドメインの売上割合を50:50で維持しつつ売上を伸ばしていけば、4〜5年以内に売上で100億円、経常利益率10%の実現も可能とのお話をお伺いした。株主の皆様に対しては、当面は利益の20%を配当として還元していくとともに、将来的には株主優待も検討していく。
マンション専有部のリフォーム市場は2,800億円とも言われており、当社の売上はまだまだスズメの涙程度である。新築で買った住宅を少しでも長く気分よく使いたい方、いつかは買い換えるつもりで新築住宅を買う方、是非一度アライヴ コミュニティ社のコーティング加工を試されてみてはいかがだろうか? 皆様の利用が当社の売上に繋がり利益も生むことになるはずである。
アライヴ コミュニティホームページ:http://www.alive-com.co.jp/
東京IPO編集長 西堀敬 column@tokyoipo.com
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