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新規公開株式情報の東京IPO
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経営者から『決意』が伝わってきますか?
  株式会社ティー・アイ・ダヴリュ ジェネラルパートナー 藤根靖晃
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古くからの知人が、会社を辞めて運用会社を立ち上げているという話を聞いた。

もっとパフォーマンスを上げて投資家に貢献できるということも理由であるが、自分達の納得する手法で主体的に出来ることが強いモチベーションになっているようだ。

現在、資金集めや事務所立上げに奔走しているが、立上げメンバー(6人)は1年ぐらいの無給を承知で全員参加している。こんなアントプレナー精神を持った人たちが金融業界にもいるのだと思ったら妙に嬉しくなった。

規制緩和効果に後押しされて、独立系の運用会社がこれからは増えてくるだろう。サラリーマンで無い運用者が増えることによって、運用競争の激化と同時にパフォーマンスの向上が期待される。

多くの日本人が長寿によって伸びた余生を充実して生きるために、資産運用の重要性がこれまで以上に高まることは間違いない。運用パフォーマンスの向上がなければ、老後はさらに厳しいものになってしまうだけに、その責務を本当に認識できる人たちに運用をやってもらいたい。

その担い手は、少なくともサラリーマン・ファンドマネージャーでは無いと私は思っている。なお、ここで言っているサラリーマンは、“サラリーマン・マインドの人”という意味であり、給与所得者全般を指すのではないことを誤解無いように付け加えておきたい。大企業の中にも“アントレプレナー”は沢山存在する。

さて、少し古い話になってしまうが、衆議院選挙で自民党が大勝した。大勝の要因は、民主党の戦略性の欠如もさることながら、周囲の反対を押し切っても火中の栗を拾いに行った小泉首相の「決意」に国民が賭けてみようという気になったことが第一であろう。

「決意」が問われるのは、企業経営者も同じである。特に業績建て直し中の企業においては、再建計画の中身よりもまず経営者の「決意」が重要である。本当にこの人は決意を持って取り組みのだろうか?ということを検討するに当っては、経歴・実績はもちろんのこと、家族構成・生い立ち、社内外での評判(特に社内)、アイデンティティの基盤となっているもの、得るものと失うものの大きさ、などを定性的ではあるが考慮する必要がある。

これはIPOの経営者にもそのまま当てはまる。JASDAQに停滞している企業群が象徴的であるが、かつてIPOは成長へのバネではなく、企業の“あがり”であった。最近でこそ、成長を目指したIPOが増えてきたが(IPOで売り抜ける目的だけの経営者も散見されるが)、IPOによってある程度の財産を築いてしまった経営者の中にはエネルギーを継続できない人々も出てきつつある。

社歴が非常に短い会社、IPOのために(雇われて)社長になったと考えられるような会社、社長の経歴とビジネス内容があまり一致しない会社、などは十分に吟味をしてみる必要があるだろう。株主重視を安っぽく謳う会社は要注意だ。自分が何故その事業をやろうと思ったのかはもちろんのこと、社員の将来について語れない経営者は信じない方が良い。

「決意」は、「責任」と「リスク」を伴う。それを経営者から感じ取れるかどうかが重要だろう。創業オーナーの経営者は「決意」そのものが投資家にも分かりやすい。最近のファーストリテイリングの株価には端的に表われている。また、仮に事業が結果的にダメだったとしても「決意」のある経営者は(ソフトバンクが典型例だが)投資家の支持を受ける可能性も強い。

余談だが、民主党の無策にはかなり失望してしまった。前回のコラムで、民主党が小泉首相を「郵政改革特命大臣」に指名すればどうだろうか、と言うようなことを書いた。誰でも思いつきそうなことかと思っていたが意外と考えた人が居なかったようであり、民主党に提案を送ればよかったと少し後悔をしている。

もし仮に、これを行っていれば、1)郵政改革を争点にしないで済んだ、2)小泉純一郎人気を取り込めた、3)政党の枠組みを打ち壊すと言う意味で改革政党のイメージを構築できた、4)今回の解散の経緯から自民党内部を大きく混乱させることができた。

話は変るが、元同僚として(あまり会話をしたことは無かったけど)佐藤ゆかり氏の当選には心から拍手を贈りたい。

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