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新規公開株式情報の東京IPO
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編集長のジャストフィーリング 〜拡大するIPOディスカウント〜

東京IPO編集長 西堀敬

 

ここのところIPOの初値が冴えない状況が続いている。

昨日IPOした東京スター銀行は初値が415,000円と公開価格430,000円を3%下回った。その後の値動きもパッとしていない。 個人投資家の投売りが続いているようだ。

先週IPOしたオハラも同様に初値騰落率が0%であった。本日の終値は4,840円と公開価格を若干上回る程度となっている。

取り上げた2銘柄はともに東証1部上場銘柄で、東京スター銀行が900億円、オハラが150億円の資金を市場から吸収した。それにともない市場で流通する単元株数は新興市場上場銘柄と比較すると数十倍〜百倍にまで膨らみ値動きが悪いと上方硬直性が強くなる。

流通株数が少ない新興市場に上場した銘柄の値動きを見てみると、初値こそ三桁の騰落率を付けた後は、無残な株価推移となってしまっている。

つまりどのIPO銘柄も初値天井もしくは初値から上値を追う展開にはなっていないということである。

ところが、日経JASDAQ平均はTOPIXや日経平均株価に連動しており、10月に入って、日経平均株価やTOPIXが調整する中でも順調に右肩上がりで10月25日には年初来高値を付けている。一方で東証マザーズ指数は年初に高値を付けた後ボックス圏で推移し9月末に年初来安値を付け切り返してきている。

このように大型銘柄から新興市場銘柄へのスイッチが徐々に進み、新興市場への資金流入が増加基調であることの裏づけとなる兆しがでてきたことは、新興市場株投資を行う方々にとっては朗報である。

セカンダリー市場がやや持ち直してきたとは言え、このような環境の中でひそかに進行していることがある。

それはIPOディスカウント率の拡大である。

主幹事証券会社は、新規公開株式を購入した個人投資の懐が痛むのを嫌気するはずである。上場した瞬間から評価損になってしまうような株は誰も欲しがらない。とするならば、IPOディスカウントを更に拡大し、初値で必ずプラスになるような株価水準に公開価格の設定を誘導すると考えるのが自然ではなかろうか。

今後、仮条件が決まってくる銘柄に関してはIPOディスカウントの拡大が予想されるが、それでも初値がしっかりしないような銘柄については、ポジティブにとらえて投資を検討すべきである。

そのような銘柄はいずれフェアバリューに株価は修正されるはずである。

過去の経験則からすれば数ヶ月間の時間軸で忍耐できる投資家にとって、この時期は絶好の投資機会となりそうだ

東京IPO編集長 西堀敬 column@tokyoipo.com

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