皆様、鰊です。
さて、今週の月曜からTOPIXの浮動株化第一弾が行われます。
お陰で先週の金曜日はバタバタだった上、事前とは異なる「想定外」に振り回されました。
(日経225もそうですが、変更前日の引けまでに銘柄を売買する必要があるので。)
そこで、どんな「想定外」が起きたのか、というのが今回のテーマです。
まずは何といっても、浮動株化に伴いTOPIXに占めるウェイトが増加することで買われるはずだった銘柄の当日のパフォーマンスが、実はマイナスだったこと。
「買われるはずだった」というのは、事前に浮動株化による買いインパクトが大きいと予想される銘柄で、簡単に説明すると下の式で計算されます。
(浮動株化に伴うウェイト増)×(市場規模)/(一日の平均出来高)
※市場規模とは、浮動株化に伴い売買を行う投資家の規模で、
ここでは、≒TOPIX型パッシブファンドの規模となります。
要は、ウェイト増による買いが、平均出来高よりも大きければ大きいほど金曜の買いインパンクトが大きくなるということです。
ちなみにもっともウェイト増の銘柄はMTFG(8306)ですが、売買高も高水準なので市場規模を15兆円とみた場合、買いインパクトは0.5日分といったところ。
買いインパクト上位20銘柄になると3日分とかいうものもあります。
ここから当日の話になりまして、
買いインパクトが大きな銘柄は「引けにかけて爆騰する」として、注目しておりました。
まあ、業務として売買しなければならない銘柄も、売買インパクトに合わせて早めに終わったり、前場は売買を抑えていたりしました。
ところが前場はまだしも、14時半になると明らかにおかしい。
浮動株に対応した売買を行うには若干早いが、買いインパクトの大きな銘柄が明らかに売られています。
そこで売りインパクトの大きな銘柄をチェックしたところ、トップ50の9割が買われている・・。
あれ?計算間違い?なんでなんで?
と考えている間に、市場自体はさほど盛り上がらないまま終わってしまいました。一応14時59分から売買高は増加しましたが、そこまで目立つものでもなく。
んー、なんだったのでしょうか?
何だか大騒ぎしましたが、実はサブシナリオが実現したというだけ話です。
それは(1)意外に浮動株のスケジュールに合わせて動く投資家が少なかった、(2)浮動株化はかなり昔から注目されていたテーマなので、大きな規模の裁定取引残高があった、というものです。
(裁定とは、ウェイト増減銘柄と指数を組み合わせて利鞘を抜く取引です。)
(1)については、立会外取引で浮動株化後のバスケット取引や浮動株調整とみられる取引が1週間以上前からあり、予想はされておりました。(2)についても、東証が諸外国に合わせてTOPIX浮動株化を検討し始めたのは2年以上前なので、それなりに裁定取引は行われていると思ってましたし、また、明らかにウェイト増銘柄のアウトパフォームの傾向もありました。
しかし、まさか買われるべき銘柄が売られるというのは予想外でした。
浮動株化のタイミングをずらすというのは、TOPIX先物も使いにくくなるわけで、それなりの売買が行われると思っていたのに。
幸か不幸か、浮動株化は第2、第3弾が控えておりますが、「浮動株化の売買が少なかった」のか「裁定取引の規模が大きかったのか」、まだ結論が出ておりません。
第2段ではじっくり構えたいものです。自信ないなあ・・。
東京IPOアルバイトの鰊 |