12月8日はジェイコム一色でした。
61万の成行のような売り。そして47万株の買い。
初日に値の付かないIPO銘柄は即日決済銘柄になるので、初値まではチェックしてます。
おかげで幸運にも、一部始終を見ることが出来ました。
発行済株式数14500株なのに、61万株を空売りするなんて有史以来の出来事でしょうし、47万株買うことも最初で最後でしょう。
最初は47万株約定したとは思えず、取り消されたのかと思い、TICKデータを確認してしまいました。
5分以上も「あり得ない」注文が放置された挙句、一撃で買う投資家がいるなんてのも信じられませんでした。
もちろん、いろんな噂が駆け巡りました。
名指しで証券会社が幾つも挙がりましたし(みずほ含む)、主幹事であるコーディアルもEトレードなんかも。本当になんでもありの状態でした。
他にも、
自己勘定ならば簡単に取り消しできるはずで、10分以上も放置されたのは委託のDMA発注のため、コンプラチェック上(見せ玉規制)取り消しできなかっ
た。
とか、
そもそも発行済株式以上の受け付ける東証が悪いので約定無効のはず。というものまで。
証券会社に甘い見方が多かったのは、やっぱり人事ではないからでしょう。
このメルマガを読んでおられる方の中には、1円で61万株なんていうおかしな注文をチェックできなかったなんて、システムが甘いんじゃないの?という方もいらっしゃると思います。
これがまた微妙な点でして。
東証のIPO銘柄は初値決定まで制限値幅が決まりません。
しかも、49万円なら±5万円ですが、51万円なら±10万と大きく値幅が変わります。
そのため、事前にシステムで制限値幅チェックをかけてしまうと(例えば公開価格を基準とした値幅制限とか)その制限値幅を超えた場合に、指値注文が出来なくなる可能性があるのです。
顧客の注文に対し、「システムの不備で発注できません」とは口が裂けても言えません。
そのため、警告等が出ても、強制的に発注できる余裕は残してある可能性があります。(ここは推測)
それが災いを引き起こしたのかもしれませんね。
ネット証券ならば、投資余力等で異常な注文はチェックできますが、証券会社の発注システムにそんなものはないでしょう。顧客が「空売りじゃなく、実需の売り」といえば発注せざるをえないでしょうし。
ジャズダックは最初からとんでもない値幅制限をしてますが、それも初値決定後に制限値幅を設定するのがシステム的に困難だからではないでしょうか。(推測2)
S高に売りを置いていたはずが、「あれ?超えた?」という経験があったりなかったり(汗)。
しかし、明日は我が身。ですから・・・。
某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん) |