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2006年はデフレ下の躍進企業で「姉歯」問題が露呈する?!
  株式会社ティー・アイ・ダヴリュ ジェネラルパートナー 藤根靖晃
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「姉歯」問題とは一体何だろうか?計算データの偽装という許されるべきでない領域にまで踏み込んでしまったとは言え、その背景にあるのはデフレ不況下での過剰なまでのコスト削減要求の高まりと一層の拍車がかかる競争激化にあるのは明白であろう。法令を踏み越えてしまう企業は少数だとしても法令ギリギリのところで商売をしている企業はかなり多いのではないだろうか!アスベストの問題にしても厚生労働省の手落ちは明白だとしても関連企業・業者に全く責任がないということではないだろう。産業廃棄物を無許可業者へ委託することなどは確信犯としか言い様がない。

デフレ不況下においては企業にとっては存続することが大命題であり、ある程度承知しながらも違法でなければ目をつぶっていたものがあるかもしれない。しかし、経済環境が回復してきた現状では仕入先・下請業者を含めて遵法性だけでなくモラルがこれまで以上に強く求められるだろう。コンプライアンス・審査体制だけでなく、仕入れや下請け発注に際して適正な料金の範囲内で行っていたかが重要視されるようになるだろう。

卑近な例であるが一つ具体例を挙げておこう。弊社のオフィスの傍の広い一方通行道路では毎週月曜日の午前中に運送業者が大型トラックから数台の配達用の軽トラックに積荷の積み替えを行っている。駐車スペースを確保するために朝早くから道路に場所取りのためにパレットを置いたりしている(他の車を駐車させないため)。都内の中心部にこうした積み替え場所を確保することは中小の運送業者には現実的ではないだろう。また、郊外で積み替え作業を行っていたのでは、(配送用トラックが長い距離を何往復もしなければならず)効率が大幅に悪化することは想像に難くない。ある意味何処にでもある光景なのかもしれない。多少であれば警察が注意することすら無いのかもしれない。しかし、積荷が好業績を続けるカタログ事務用品企業のものであるのを見るたびに複雑な気持ちになってしまう。安価で良質な商品が購入できるのは購買者(消費者)にとっては好ましいことであり、好業績は株主にとっては喜ばしいことかもしれない。しかし、コストダウンの裏側でモラルハザードが進むのであれば決して社会にとっては望ましいことではない。カタログ事務用品企業では、下請運送業者のオペレーションなど全く認識外のことなのだろうが。

景気回復によって労働力不足もまた顕在化しつつある。人の採用が出来ない中小企業では背に腹は変えられず、外国人不法滞在者を雇用することもあるだろう。そうした外国人が皆「少女を殺す」と言うつもりは毛頭ないが、治安の問題が重要になる(余談だがこうした状況下で警察が益々権力を増して行くのも大きな問題だ)、自動車や電機をはじめとした日本の競争力と企業収益がそうした歪の中で支えられているのであるとすれば“緩慢なる自殺行為”であることは言うに及ばない。

「姉歯」問題と脱デフレを契機にして2006年は、下請け叩きとそれによって生じている様々な歪に社会的関心が一層高まる可能性がある。価格競争型をはじめとして好業績企業の再チェックが必要なのではないだろうか。

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