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新規公開株式情報の東京IPO
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『因果律の審判』はまだ続く。ファンダメンタル分析は守りに強い。
  株式会社ティー・アイ・ダヴリュ ジェネラルパートナー 藤根靖晃
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前回のこのコラムで「新興市場はクライマックスが近い」と述べたが、そのメルマガが掲載された1月16日は丁度ライブドア・ショックの当日で、新興市場は天井となってしまった。原稿自体は2日前に書いたものだが、月一回の掲載なのでタイミング的には若干遅くなってしまった。しかし、昨年末頃から新興市場株は“異常”と唱えていたのを聞かれた方からは一定の評価を得たものと考えている。「結果」(=株価上昇)と「原因」(=業績拡大)が逆転した状況は長続きしない。この相場下落を「因果律の審判」と呼ぶとしよう(実はあるアニメからのパクリです)。

こうして株価が下がると、米国の住宅バブルの問題、イランの核開発、小泉政権の支持率低下等々と悪材料に市場が反応しやすくなっている。しかし、結局は4月頃にも見込まれる日銀の量的緩和解除によって将来の金利上昇を織り込み始めた、ということに尽きるように思う。米国の追加利上げが示唆されることよって為替が円安に触れていることは、量的緩和解除の後押しとなっている。

株価への影響を考えるなら次の通りだ。TOPIXの2月高値時点での東証1部のPERは約25倍。これを金利0%の基準PERとして株式リスクプレミアムが変らないとするならば、金利1%でPERは20倍に、2%で16.7倍にまで低下する。つまり、市場が単純に金利を織り込むならば高値から20〜35%程度の下落の可能性がある。これに2006年度の増益率、株式リスクプレミアムの低下等のプラス要素を考慮したとしても、前述の半分程度の下落率(10〜23%)は覚悟する必要があるかもしれない。株価が急上昇し始めた昨年11月頃の水準1450〜1550ポイントまで下落することを意識しておく必要があるだろう。新興市場の株価はさらに厳しい覚悟が必要なのは言うまでも無い。

しかし、悲観的にばかりなる必要はない。注射は体に針が刺さるまでが怖いのと一緒で量的緩和解除が行われてしまえば、金利上昇への過度の懸念はむしろ薄らぐ可能性がある(当面はゼロ金利が続くわけですから)。3月中旬から4月中旬にターニングポイントがあるだろう。

さて、話は変るがこの相場下落に対して自分自身の成績はいったいどうだったのだろう。西堀編集長のリクエストもあり、「株データブック厳選銘柄版新春号」(12/15発売)の先週末まで(約3ヵ月)のパフォーマンスを計算してみた。取り上げた10銘柄の平均上昇率は12.1%(11/24が基準日)。細かいチェックを怠ったために大幅下方修正となってしまった会社が1社あったが(32%下落・・・ごめんなさい)、この間のTOPIX上昇率が5.8%だから取合えずは下を向かなくても良さそうだ。ちなみに、全体(10人、100銘柄)の平均パフォーマンスは6.2%と僅かにTOPIXを上回るに留まっている。1位は岡山氏15.0%、2位は江頭氏12.6%、小生は3位。半数の人がTOPIXを下回っている。この結果だけで一概に言えないのは勿論であるが、パフォーマンスが冴えない方たちの要因はバラバラであるにもかかわらず、パフォーマンス上位者は業界分析や取材をベースとした企業調査を行う正統派ファンダメンタリスト(??)が多い傾向がある。中長期投資だけでなく、守りの相場にもファンダメンタル分析は有効性を持つと考えられなくはないだろうか!

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