皆様、こんばんは。鰊の月に一度のレギュラー枠でございます。
ようやく底を模索する動きも終わり、新年度とともに一気に20000円!というのは大げさですが、比較的堅調な雰囲気になって参りました。
一時は静かだった外国人フローも少しずつ増えているとか。やはり、ここが買ってくれないと勢いがつきませんし、是非とも期待したいところです。
というわけで、今回のテーマは、「新聞等でしばしば出てくる外国人動向について、運用会社はどのように把握しているのか」ということです。相変わらず強引ですが。
個人的な感覚では、外国人動向の把握は3パターンに分けることが出来ると思います。
一つ目は外国人の動きの王道といえる、「外国人寄り前動向」。
よく新聞でも報道されますし、「売り○○株 買い□□株 差し引き××株の売り」という形でフィスコ社でも毎日見ることができます。
最近は、銀行株と鉄鋼株の例を挙げるまでもなく、株数で見ても状況を把握できない場合もあり、「差し引き△△億円の売り」という情報も証券会社によっては教えてもらえます。
マーケットへの影響は、大きかったり、皆無だったりとムラがあるのですが、とりあえず把握しておきたい数字ではあります。
但し、「外国人寄り前動向」で気を付けなければならない点は、この数字はなんら公式のものではないこと。市場のセンチメントへの影響はあるとはいえ、必ずしも実需を反映しているものではありません。
昔からの習慣で、今でも自発的に外国人の動向を集計しているに過ぎないようです。
そのため、珍しいケースでは、寄り前動向担当の某外資系のセールストレーダーが当日解雇されてしまったため、「外国人動向(1社除く)」となってしまうこともありました。
また、「寄り前動向には集計されていないけど、△銘柄○○億円の買いの噂。」や「寄り前は売り越しだったけど、ライブ系(場の動きを見て参加する外国人)が入ってきて終わってみれば買い越しでした」なんてことも珍しくはありません。
他にも、プログラム売買は寄り前動向には反映されず、「寄り前動向は若干売り越しですが、○○○億円の買いもあるらしいっすよ。」とか噂が流れます。
よって、「外国人寄り前動向」はメジャーな割りに鵜呑みできない数字といったところです。
外国人動向の2つ目は、引け後の「本日の外国人動向」でしょうか。
どこまで本当なのか分かりませんし、教えてもらったりもらえなかったりですが、米系、欧州系、短期系、長期系、ヘッジファンド系(≒短期系)のフローが分かる場合もあり、結構参考になります。上げ相場、下げ相場では長短期系がどう動いているか、やはり知っておきたいので。
難をいえば、色んな証券会社の情報をまとめた結果、「トレンドなし」となるケースが不思議と多いことです。欧系・米系とかもっと明確にトレンド出そうなのに・・。
友人等からは「本当はリアルタイムで教えてもらってるんじゃないの?」とか聞かれますが、噂では流れてきても、「今、米系年金が○○億円売りきました!うわー!!」というのはほとんどありません。
オイルマネーや公的資金も裏の取れる情報としては回ってこないです。やはり巨大なお得意様の情報はおいそれと流せないのでしょう。
「このコア銘柄の買いはオイルっぽい」というのが関の山です。
とはいえ、誰かが公的資金の注文を受けており、証券会社のディーラーの方であれば把握できるはずですし、知ってる人は知ってるのでしょう。
美味しい情報は無料ではやれないというところでしょうか。
日銀の為替介入にしても、同じディーリングルームに居れば分かるという話もありますし。
もっともこれは後ほど公表されるので、全く同じには考えるべきではないかもしれませんね。
最後は、証券取引所が発表する主体別取引動向でしょうか。
どちらかというと、終わった取引の情報なので、相場の先行きを考えるのに使っても、日々のトレーディングには使わないケースが多いです。
ほとんど相場動向を説明する後付けでしょうか。
しかし、こうやって書いてみると、使えるのか使えないのか分からない情報に日々振り回されていますね・・
某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
メールはこちら ⇒ nishin-for-t-ipo@hotmail.co.jp
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