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コーヒーブレイク 〜定款を読もう〜
  株式会社フィナンテック IRコンサルタント 深井浩史(CFA協会認定証券アナリスト)
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最近上場企業の総務・IR部門の方々によく読まれているものとして、ある適時開示資料があります。スミダコーポレーションの「定款一部変更のお知らせ」です。

12月決算で3月18日に定時総会を開催、5月の新会社法施行を前提にそれに対応した定款変更をいち早く実施しました。そしてその新しい定款と、新旧対比表なども開示しています。これが同様の定款変更を検討中である企業の方々の参考資料となっています。

スミダは欧州企業への敵対的なTOBでも話題になりましたし、さらに以前からユニークな組織運営で知られています。そして今回の素早い対応。こうした事で知名度を上げる企業は、ガバナンスがきちんとしている企業として評価されると思います。

以前、ある新興企業の社長が「上場しただけじゃだめだ。株式市場で暴れないと意味がない。」という発言をし、その企業は大幅分割、その他の奇手と見える資本政策を進めました。(ライブドアではありません)。その当時時価総額はかなり上昇しましたが、最近は業績も今一つで株価はずっと下がっています。

大事な企業イメージ・ブランドというものをどのように作っていくか。これには色んなやり方があると思いますが、真剣に、そして慎重に考える必要があります。いったん付いたイメージを変えることはとても難しいことですから。

さて、スミダの定款から投資家に関係する主要な項目を見てみます。


・公告の公告は電子公告に変更済み。インサイダー取引に利用されるリスクの
  ある新聞公告は必要ないですよね。

・自己株式取得は取締役会決議で実施できるように変更済み。

・単元未満の株式の保有者は端数分だけの買い増しで単元株式数とすることが
  できる規定を新設。株主からの要望を受けて、会社による端株の買取に加え
  て、株主による買い増しを可能としたようです。

・議決権行使の基準日。年度末日以降の取得者に定時総会の議決権を認めるこ
  とができる、としています。買収防衛策とも絡む?

・総会参考資料の提供をインターネットでもできるようにしました。

・取締役の定員は15名以内、社外2名以上(従前より)としています。

・取締役の選任は普通決議のまま。総会で承認されれば、特別決議とすること
  もできましたが、議案としませんでした。

・委員会設置会社なので取締役の任期は1年。

・配当については、年度末日以外にも基準日を定めて配当ができるようにしま
  した。実際に四半期配当を行っていくようです。

皆さんのところにも6月になれば総会招集通知がたくさん届くでしょうが、個人投資家もベンチマークを持って定款変更議案にもきちんと意思表示をしていきましょう。

コーヒーブレークのブログ書いています。http://ameblo.jp/mplstwins/

株式会社フィナンテック IRコンサルタント 深井浩史
(CFA協会認定証券アナリスト)

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