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アイフルショックは買いだったのか?その時、機関投資家は?
某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)

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こんばんは、鰊です。

先週木曜に開催されたレディースセミナーのアンケートで「ニシンさんのメルマガ読んでます」という文面を見つけました。

やっぱり元気でます、こういうの。メルマガというのは一方通行な発信作業なので、こういった反応をいただけると、テンションが上がるものです。

稀にいただくメールも、もちろん感謝感謝。
一度だけ、メールの設定を本名のまま返信して大慌てした経験もありますが。

今後とも宜しくお願い致します。

今回のテーマはやや時期遅れのアイフルショック。
市場はUSENショックで盛り上がってますが、業務としてバタついたのはやはりアイフルでした。

詳細はメディア等で色々報じられているので端折りますが、アイフル全店に対して一部業務停止命令という異例の厳しい処分。

これを受けて14日のアイフル株は寄り付きから売り気配で、最終的にS安比例配分。

インパクトの大きさを考えれば当然ともいえる結果です。

しかし、「当然の結果」と片付けられないのが、トレーダーの仕事。

まず朝からファンドマネージャー(以下FM1)に詰められます。

FM1   「これはどこで寄りそう?」

鰊(以下N)「まだ8時55分じゃないですか。何も断言できませんて。」

FM1   「今日は寄らなくても、月曜は寄るの?」

N     「ですから今の状況では何とも。」

FM1   「俺、今から出張なんだよ。どう思う?勘でいいから。」

N     「S安は間違いないところですけど、出来高はちょっと・・」

その後、別のファンドマネージャー(以下FM2)が来ます。

FM2   「アイフルえらいことになってるねー。」

N     「ニュースがニュースですから。業績に影響あるんですか?民事
        訴訟は前からですよね。」

FM2   「その後の法律次第だろうけど軽微じゃない?センチメンタルな
        投げ売りが出てるだけで。」

N     「今の状況を見てると、大したことなさそうですね。買いの4倍
        くらいの売りですし。」

FM2   「前の参天製薬も売りも、結局一巡後にはしっかり戻ったからな。」

N     「確かに似た雰囲気がありますね。ただの勘ですが。この板なら
        リバウンド狙いもできそうですし。」

FM2   「まじ?おれも乗って良い?保証してくれる?」

N     「いや、まだ早いでしょう。月曜の寄り付きならそれも有りかな
        ーと思いますが。」

13時前に再びFM1が戻ってきます。

N     「出張じゃないんですか?」

FM1   「日帰りだよ。どうアイフル?」

N     「ただの取材じゃないですか。嘘つきましたね・・。」

FM1   「どうアイフル?売買はどんな感じ?」

N     「場はご覧の通りS安7200円ですけど、立会外か場外取引で
        7080円と7100円で約定ありですね。」

FM1   「ほんとに?それってどうなの?」

N     「ヘッジファンドが買ったっぽいです。あの値段じゃリバウンド
        は期待できないと思いますけど。」

FM1   「そうなの?」

N     「うーん、週末で雰囲気一転する可能性もありますけど、目先の
        利益狙いの割には、ちょっと早まったような。」

FM1   「今のように売り4、買い1の状態ならもっと下がると?」

N     「そうですねー。売り1.5、買い1で均衡取れれば、そこから
        ドカンと大きな買いが入って乱高下でしょうけど、この板なら
        月曜は売り3、買い1で始まりそうじゃないですか?まだ下げ
        ますよ。」

FM1   「じゃあ、今日は板の状況は変わらないと。」

N     「多分。まだ正式発表ないんでしょ?ここから事態が好転しそう
        にないし。」

FM1   「じゃあ、どのくらいが適正価格?」

N     「それはバリュエーションの問題じゃないですか。それはFM1
        さんが考えてくださいよ。トレーダーには分かりません。分か
        るのは、この状態なら月曜には寄りそうということだけです。」

FM1   「だよなあ。」

というように、問い詰められることがしばしばあります。

特に、FMがS安以下で売りたい時は、証券会社さんとの交渉の中でどこが妥当ラインなのか、翌日にそこの値段まで下がらないことがあっては、こちらも信頼を失ってしまうので必死で考えます。

考えても答えはでないので、最後は「えい、やあ」という感じになりますが。

こういう取引が一番体力を消耗します。
思い出したくない思い出も沢山。はあ。


某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
メールはこちら ⇒ nishin-for-t-ipo@hotmail.co.jp

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