ブル:いよいよ2006年も後半戦に突入です。
ベア:またやんの、これ?今度こそクレーム来るんちゃう?
ブル:大丈夫。フィスコ上場記念コラムやから。
ベア:今更やな。そんなところは強気なじゃくて良いから。
ベア:じゃあ、前半戦の反省からいこか。君は年初に何て言ってたっけ?
ブル:「超悲観的にみて14000円で26週線がサポート。上値が非常に軽いので
20000円も夢じゃない。」
ベア:で?
ブル:・・・上値は非常に重かった。三尊天井崩れで上放れチャートかと思っ
たけど、17000円近辺でもたついて、センチメントが完全に萎んでしま
った。。4末くらいにライブドアショックから立ち直ったところで、再
度上昇局面かと思ったけど、戻りが急すぎたね。
調整局面のはずが、新たなしこりを作ってしまった。君は?
ベア:弱気派の年初予想は「12000円〜16000円のレンジ。相当なエネルギーが
ないと16000円でしこりが出来てしまってズルズル下落。」
ブル:今の状況に近いんちゃう?
ベア:17000円をサクッと超えたのが意外やったかな。出来高も少なかったし、
調整に入るのは時間の問題と思ってたけど、一度上に吹き上げた分、レ
ンジが切り上がってしまった。
ブル:ホリエモンショックで何か変わった?村上ファンド、福井総裁と広がっ
ていったけど。
ベア:新興市場への投資スタンスは明らかに変わったよね。成長性が高い企業
でも「来期はM&Aで売上2倍です!」というようなコア事業でキャッシュ
フローを作ってない、身の丈以上の拡大路線を走ってるところは敬遠さ
れてるような。
ブル:そうだね、PERが割安でも、来期業績がイマイチならトコトン売られて、
一度見放されたら本当に誰も寄ってこない。IPOも初日にピークをつけ
る銘柄もあるし、「えい、やぁ」で逆張りしたり、上値を追っかけると
勝つのは難しい。
ベア:じっと安値で待っていて、一時的な需給の崩れで買うという最高のエン
トリーが出来ても利食いのタイミングを躊躇すると、あっという間に利
益が吹き飛ぶし。
ブル:印象に残った銘柄は?
ベア:上昇ではトリドール、ひまわりかな。下落ではクリエイトレストラン。
新興市場の怖さと醍醐味。
ベア:さて、年後半の展開は?
ブル:敢えて言う。15000円〜18500円。
ベア:ほほう。シナリオを述べてみよ。
ブル:下値が固まってない中で、下限を15000円と言い切るのはもちろん不安
があるのだけど、マーケットがネガティブ過ぎる。16000円台のしこり
は重いだろうけど、ワンタッチだけでも18000円台に突入するはず。
ベア:それだけ?ただの勘?
ブル:マクロ指標の鈍化が懸念されているけど、意外に一時的なものになりそ
う。自動車も年後半から再度攻勢をかけるらしいし・・・。
ベア:苦しいなあ。相場を引っ張ってきた設備投資はピークの感があるし、実
際これ以上の受注は裁けない企業もあるでしょ?今からキャパ増やそう
としても、完成する頃にはちょっと手遅れだから身動きできない。
となると業績の伸びは鈍化するしかないのでは?
ブル:そうなんだよねえ。業績横ばいで特に割安感がないとなると、積極的に
買う理由なんてどこにもない。
少なくとも外国人は買ってくれない。君の予想は?
ベア:年初とほぼ同じで、13000円〜16000円。ボラが小さくなって、狭いレン
ジで終始するんじゃないかな。
ブル:下限を切り上げたね。
ベア:うん。悩ましいところだけど、悪材料は出尽くしの感があるしね。株式
市場を揺るがすような事件が起きて、政局も混迷気味で、日銀総裁のク
ビも飛びそうで、ミサイルも飛んできそうで、サムライブルーは散って
しまって、これ以上悪いことは考えにくい。
ブル:なるほどねー。悪材料は出尽くしだけど、かといって期待できる材料も
ないから、レンジ相場だと。
ベア:そう。ポスト小泉は無難な運営してくれればそれでOKだし、アメリカも
どこかと衝突するかもしれないが、多分独力で何とかしてしまうだろう
し。一時的に相場急落しても、底は見えているかな。
ブル:ちなみに年後半のテーマは?
ベア:それが明確ならレンジ相場なんてあいまいな表現ではなく、「○○なら
こういう展開で、××ならこうなる」と言えるのだけど、何から述べた
らいいものか。
ブル:イベントを挙げるなら、日銀の利上げ、FOMCの動向、原油、北京、自民
党総裁選。
ベア:確かに注目されてはいるのだけど、年前半で振り回されてきたテーマだ
けに、ある程度の相場の動きが予想できる。昨年の「郵政民営化はどう
なる?」「日本経済の好調は本物か?」みたいなドキドキがない。
ブル:長期的な調整局面の中で細かい波に乗っていけるかが勝負の分かれ目。
個別銘柄では、必ず需給が崩れるタイミングがあるのだから、そこを狙
って細かく利益を積み重ねていくしかないのかな。
ベア:・・・個人的な考えでは、大きな上昇局面以外ではあまり勝負に行かな
い方がいいと思うけど。
ブル:目を瞑って買わないと、下では拾えないからね。ある程度調整が進んだ
と思えば、勝負に行かないと!
ベア:どんな企業が伸びるんだろうね?
ブル:この経済環境で、今までもたついていたのに、これから伸びる製造業を
捜すのは難しい。
BtoCの小売とか良いのでは?
ベア:同じコンセプトの店を作れば、ある程度のところまでは拡大していける
という分かりやすさは万人受けなのかな。前述のトリドール、サマンサ
JPに続く企業を見つけたい。
ブル:先週土曜日の京都セミナーでもインベスコの方が、「前頭から横綱にな
る過程の企業を見つけることが重要」だと言ってたね。2007年3月PERが
妥当でも、それ以降の伸びが高い企業を見つけるのは不可能じゃないよ。
ベア:どうでも良いけど、冒頭と最後で口調と言うか、関西弁だったのが標準
語になってない?
ブル:途中まで大阪で書いたけど、残りは東京で書いたから。
ベア:何にせよ、年後半は負けないことが大事だよね。
ブル:来年正月もこうして書けると良いなあ。
某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
メールはこちら ⇒ nishin-for-t-ipo@hotmail.co.jp
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