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編集長のジャストフィーリング 〜逆風でも説明し続ける経営者〜

東京IPO編集長 西堀敬

 

今週月曜日の夜、東京は大手町のサンケイプラザでビービーネット(2318大証ヘラクレス)が個人投資家向けの会社説明会を開催した。

説明会の目的は、期中に2度にわたる業績の下方修正を発表したことの個人投資家へのお詫びと新しく策定された3カ年計画の内容説明であった。

我々は東京IPOのサイトで広く個人投資家の皆様に開催のお知らせしたこともあり、東京IPOスタッフもお手伝いに馳せ参じた。

18時30分から説明会が始まったが、予定の時刻を超えて田中社長の熱弁が続いた。

当社の歴史について、1年前に公表した中期事業計画を達成できなかったことについて、そして2度にわたる業績の下方修正について懇切丁寧に田中社長はご説明された。

説明会の始まる前に控え室にお伺いしたときから、2度にわたる業績の下方修正は株主とって許されるものではない、謝っても謝り切れるものではない、という言葉を繰り返されていた。

通常、このような状況になると株主総会以外では個人投資家の前には立ちたくなくなるのが通常の経営者というものである。

決算も終わっていないこの時期に敢えて株主でもない個人投資家も含めた形で説明会を開催したこと自体は評価に値すると言えよう。

田中社長の愚直なまでに個人投資家と向かい合う姿勢を会場後方の席で見ていたが、針の筵に座って粛々と裁きを受けているように感じられた。

一方通行の説明だけではなく、会場の時間ギリギリまですべての質問者に回答を続ける誠意に説明会も終盤に差し掛かってくると、質問というよりも激励の声が多くなり、最後は参加した個人投資家の応援の拍手で閉会となった。

多くの上場企業は公募と称して個人投資家を中心に多額の資金を調達しておきながら、目論見書に説明責任を押し付けて、物理的なフェイスツーフェイスの説明を行わないのはいかがなものだろうか?

ビービーネットの説明会に参加した女性の個人投資家が、「日本航空よりはずっとビービーネットのほうがましだ!」と発言されていた。

企業が個人投資家との対話を忘れたときに個人の株主は最大の脅威となるはずだ。

数週間前に、ワタミの株主総会の話題をブログに書いたが、危機に陥ったときこそ個人投資家を味方につけることが最大の防衛になることを改めて感じた次第であった。

今日の夕刻は、大阪で説明会を開催予定と聞いている。

田中社長、頑張れ!

 

東京IPO編集長 西堀敬 column@tokyoipo.com

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