やっと先週末に東北を除く本州は梅雨明けとなった。
関東でも今週から夏本番で海や山は若者や家族連れでにぎわうであろう。
そういう私も週末は北海道に出かけた。
1ヶ月くらい前に予約したのだが、目的地の近くの旭川空港行きの便は満席だった。
やむなく千歳空港に飛び、レンタカーで富良野へ。
東京だとこれからが夏の花々の季節だが、ここ富良野ではすでに夏の花々が終わろうとしている。
ひまわり、ラベンダーともにすでに満開の時期が過ぎていた。
宿も近所になくて層雲峡まで一晩のために車を走らせた。
層雲峡では偶然真夏のイベントである花火の夜に一致した。
だが、このイベントは夏の盛りに終わりを告げる。
翌日曜日は天気が回復したので宿を早めに出かけて黒岳中腹までロープーウェーに乗った。
乗り場は団体客で混雑しており、すぐには乗れず臨時便に乗ることになった。
少し時間があるので、乗り場あたりをウロウロ。
夏の花々の写真が目に付いたので、近寄ると、
「早くも、夏→秋への季節の移り変わりを感じる黒岳です」
とのコメントがあった。
確かに夏至はすでに終わって1ヶ月が過ぎている。
夜明けから日の入りまでの時間は毎日短くなっているのだ。
にもかかわらず、梅雨明けで夏本番、との声があちこちで聞かれ、本州より南では最高気温もこれからがうなぎのぼりとなる。
だが、秋の気配が人知れず訪れ季節の変化が刻々と近づいている。
我々が毎日見ている株式市場においても同じことが起こっているのではないだろうか。
一般の投資家が日々一喜一憂している株価指数は6月以降冴えない展開となっている。新興市場に至っては復活の兆しさえ見えない。
でも、今日、我々が見ている株価指数の位置は、すでに3月から始まったゼロ金利解除に向けた動きの結果であるはずだ。
そして7月にゼロ金利が解除されたからといって、長期の金利は数ヶ月前とほとんど変わらない水準である。
3月決算企業が今期の業績予想を計画する前提には十分加味されている範囲内にある。
その前提条件になかったのは輸出関連企業にとっては追い風となっている円安である。
米国においても景気の減速がマクロの指標に現れはじめて金利上昇は打ち止めの兆しが出てきている。
株式市場も立ち直るには時間がかかるがその前兆は必ず目に見えるものとして存在しているはずだ。
世は夏休みだが、株価指数の動きだけに目を奪われずに小さな変化にも注目していこう。
季節は突然変わらない。目に見える何かが日々変化しているはずである。
東京IPO編集長 西堀敬 column@tokyoipo.com |