皆様、こんばんは。夜は既に秋の気配がありますね。
今年は猛暑と言われてましたが、苦しんだ記憶があまりありません。
年を取ると一年が早いってことですかね・・。

さて、投資の本といえば、No.１はもちろん編集長の『「IPO株」の本当の儲け方』ですが、この前ふと新大阪駅で買った本もなかなか興味深いものがありました。

そういえば、新幹線というのは不思議な乗り物です。所詮電車なのに、乗り遅れまいと余裕を計算して駅に着いてしまいますし、そうすると手持ち無沙汰になって、本を買わないといけないと思わされますし、いざ買おうと思っても、構内に大した本がない。

駅の本屋ってHow to関連本だけが妙に充実してますが、個人的にはもっとも興味のない分野の上、当たり外れが大きいので、選びたくないのに。それだっだら一昔前のベストセラーとかを充実させてくれれば良いのに。

しかし、3時間弱を無為にしたくないので、当たり外れを考慮して、3冊ほど買い込みます。

そして、読まないまま本棚の肥やしになった本がいくつあることか。フロイトの「精神分析入門」なんて読む可能性なんて皆無です。

予め買っておけば良いのですが、まあ出会いがあるかもしれませんからね。

話が逸れましたが、新大阪駅で買った本のタイトルは「さわかみ流　図解　長期投資学」。

私の買った文庫版の出版は今年の７月ですが、元々は2004年に出たものらしいです。

いわゆる投資関連本というのはほとんど読まないので、この本が有名なのか分かりません。
「図解」の割には、ほとんど図が載っていないのもどうなんだと思います。

これを読んで、投資の奥義が学べるかといえばＮＯです。具体的な手法は載ってません。
長期投資に活かせる「さわかみ流フローチャート」作成がこの本の目的なのですが、イマジネーション豊富な人間でないと、こんなチャートは作れないというのが感想です。

ただ、さわかみ氏の頭の中ってこんな風になっているのだな、推理の積み重ねってこうするのか、世界のお金の流れってこうなっているのか、ということのイメージを掴む意味では非常に面白い一冊かと。

堺屋太一氏の「平成30年」のよりも短期的で、近い未来を仮説思考でイメージしてみましたという本です。

なお第1、2章は、相場サイクルの解説など投資理論っぽい内容です。「ゲーム心がないと早めの行動には入れない」というとこでは「ああ、うんうん。うちのファンドマネージャーも真面目な人ほど高値で掴まされているなあ」とか、「不景気の間は何がなんでも株を買う」では「そうはいっても30代でも景気の山谷の一回ずつしか経験してないし、そんな長期的な視点で機会を待ってたらくたびれちゃうよ」とか個人的には楽しく読める場面です。

さわかみ氏といえば長期投資なので、そう書かざるをえないでしょうけど、「実際にはこれって短期投資でもそのまま活用してるよな」ってとこも多く、漠然とイメージしていたことが文章化されたところは参考になりました。短期の需給を読む場合も、波が細かくて騙しも少なくないけど、やってる作業は同じですから。

「与えられた情報に価値は残ってない」というのも、上方修正した竹内製作所が寄りピンだったこととリンクして、印象深いです。四半期決算見てたら上方修正するのは明らかだろうと。なんで、わざわざ反応するかなあ。案の定、上値は重かったですが。

それ以降は、トピックを絞っての推理ゲームです。なかなか読み応えがある内容でしたが、300ページあるとは思えないほど、あっさり読了できました。文体が非常にフランクだったこともありますが、ベースはさわかみ氏のセミナーで話していた内容かもしれません。

前述のように、投資に即応できる内容ではありませんが、一人の人間がじっくり考えた思考をトレースできるという意味では非常にためになる本です。図書館に置いていたら読んでみてもいいと思います。

私も再読する可能性は低いので、有楽町近辺まで取りに来ていただける方には差し上げます。今なら、前述したフロイトの精神分析入門もセットです。先着１名様。

ちなみに一緒に買った本は、ジム・ロジャース氏の世界一周の本。相方（20歳前半の女性）の自慢話から始まりますが、確か世界一周第2弾の時は、違う女性だったんだよなあ。

という所までしか読み進んでません。面白ければ取り上げます。

某運用会社日本株トレーダー　鰊（にしん）
メールはこちら　⇒　nishin-for-t-ipo@hotmail.co.jp