株式市場では日米の株価が連動して動くミラー相場が続いている。ここのところ米国株だけでなく欧州株も年初来高値を付け出したが、日本株だけはまだまだ出遅れている。
新聞報道では「NY株最高値更新!」なんて記事が先週から目につくようになった。
でも、正しくは「NY株」ではなくて、ダウ・ジョーンズ社が選んだアメリカの代表的な上場株式30銘柄のことで「ダウ工業株30種平均(ダウ平均)」が正しい呼び名である。
このダウ平均が最高値を更新しているのであるが、30銘柄を良く見ると日本で馴染みのある名前がずらりとならんでいる。(以下に30銘柄を掲載)
つまり米国経済が少しくらい弱含んでも業績の急速な悪化はない企業ばかりである。
とするならば、ダウ平均株価はアメリカ経済を見る指標というよりも世界経済の動向を見るべき指標のひとつとして非常に重要であると考えるべきであろう。
日本の株式市場が米国市場にキャッチアップしてくると考えると、日本の株式市場の中で買われる銘柄もミラー相場的になってくるはずで最初に動き出す銘柄群も必然的に決まってくるのではないだろうか。
ダウ平均銘柄は時価総額が大きくて、売上の過半数を海外で占めるようなグローバルな銘柄群が中心となっている。
ならば、日本でもそのような銘柄群が人気化するのは当然の流れである。
その筆頭がトヨタである。
先週の安値からすでに10%近く上昇している。
為替が円安、長期金利上昇(緩やかだが)、原油安の前提で見れば、
1.売上に占める輸出の割合が高い、
2.手元資金が潤沢で借入金が少ない
3.原油安が自社製品の売上にフォローウィンド
の企業群がいいだろう。
そのような前提で見れば、業績のいい、
キャノン、日産、信越化学、ブリジストン、ホンダ、松下
あたりに先行して資金が集中しそうだ。
内需や資源高で買われた銘柄は動きは鈍いと考えておいたほうがいいだろう。
そして最後に、IPO株、中小型株投資の方はしばらくは休んでおいたほうがいいだろう。
大型株に一服感が出るまでは出動を見合わせよう!
【ご参考】
「ダウ工業株30種平均(ダウ平均)」構成銘柄
アルコア |
アルミニウム |
アメリカン・インターナショナル・グループ |
保険 |
アメリカン・エキスプレス |
金融 |
ボーイング |
航空機 |
シティグループ |
金融 |
キャタピラー |
重機 |
デュポン |
化学 |
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医薬品 |
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