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新規公開株式情報の東京IPO
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人気を持続できる企業
  日系投資会社在籍 P.N.候鳥(わたりどり)

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2006年は今も人気がある夏目漱石の『坊ちゃん』刊行百周年。執筆者はそれを当て込んだ出版だと言われるのは嫌だろうが、それに合わせたかのように『うらなり』(小林信彦/文藝春秋刊)が上梓されている。坊ちゃんの蔭に隠れて目立たない地元出身教員である、うらなり=英語教師である古賀の、その後の人生を描いたものだ。作中では、松山で張り合った「マドンナ」とも神戸で再会を果たす。その再会は、心に残っていた残像を払拭する切っ掛けにもなる。物事には必ず、その後があり、いつまでも豊かで美しいことは少ない。

日証協が来年2月から公募増資について、証券会社による引受審査を厳しくするという。業績悪化懸念のみならず、同業企業の業績悪化懸念までもが株価下落の引鉄になるほど、企業業績の実態は投資家からの関心が高い。

どんな会社にも紆余曲折があり、いつも好業績であることはあり得ない。好業績であっても、それが期待水準を下回れば投資家はそれ自体を売り材料にもする。こうした事が示唆しているのは、コミットメントに対する時間観念の問題だろう。

投資の世界で成功した実績を持っている人の中には、バリュー投資に徹し、価値ある銘柄の長期保有で資産価値を大きく膨らませた人が居る。その一方で、積極的な売買で成果を上げている投資家も居る。

結果から見ればいずれの方法も正解なのでここからの教訓は得にくい。だが、共通しているのはそれぞれの時間軸を、明確に意識しているという事だろう。象の投資家と犬の投資家では行動様式が異なるわけだ。

10月下旬以降のIPOを一覧すると、大企業子会社と、すでにビジネスモデルが確立している巨大企業の多さが目につく。市場から大規模資金を吸収するこの種の企業の登場は、市場での資金循環からみれば、市場資金を固定化させるので撹乱要因になる。しかし、個別で見れば、犬も象も安心感と将来性を評価して買いに出る。当然ながら、その後の売り時が犬と象では異なる。

マドンナとの再会が、心の中に残っている残像を消し去ることになるのか、思いを再燃させることに繋がるかの違いは、成長の仕方、変わり方にある。犬にも象に合わせた成長変化を達成できる企業は少ない。 

 

日系投資会社在籍 P.N.候鳥(わたりどり)

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