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編集長のジャストフィーリング 〜 ゴルフと株式投資の日々(第1回)〜

東京IPO編集長 西堀敬

 

10月某日、今日は某社のゴルフコンペに参加。

ゴルフ場に着くのがスタート時刻にギリギリで練習もほとんどなしに素振り2、3回で初打席にはいる。なんと最初の1ホール目からいきなりドラコンのロングホール。

気合いは入るが体は空回りで、最初からキャディーさんの「ファー」の大声が響きわたり、ボールは右方向のOBラインを大きく超えて林の中に消えていった。

こんな日はスタートホールからトリプルボギー以上のスコアになり、大勢の参加の中でのスコアメイクを心がけるのだが、結果は散々な目になってしまうことが多い。

昨日の練習場では素晴らしい打球が出たはずなのに、なぜ今日はダメなのだろうか? ティーチングプロのレッスンも受けて体制万端で臨んだゴルフがこのざまではもうゴルフなんて止めたほうがいい、なんて思いながらコースを回ることになる。

私は仕事柄株式投資を行う個人投資家とお話する機会が多いのだが、負けが込むと泥沼に陥る人がいると聞く。数百万円が1〜2年で数億円に化けたというスーパー個人投資家が書いた本を読んで私も同じようにやってみよう!と意気込むのであろうが、その前に投資の基本を身に付けることが重要である。

ゴルフもまったく同じである。昨日は練習場で自分はプロか?と錯覚するようなドライバーショットが連発していたことだろう。ティーチングプロから教わったいくつかのチェックポイントを頭に叩き込んで、クラブの握り方ではグリップのちょっとした位置まで教わったとおりに実践していたはずだ。

右のグリップを数ミリ深く握るだけで大きなスライスが出なくなり、ドライバーショットのボールは練習場の奥のネットを直撃する。瞼に残っているのは真っ直ぐ飛んでいくボールの姿だけで、グリップの握り方はいつしか脳裏からは消えていくのである。

話を株式投資に戻そう。株式投資を長く経験している人でも焦ると損が膨らんでいくことがある。長年の投資歴が自分なりの投資スタイルを作り上げているはずである。だからこそ、自分の資産を減らさずに何年間も株式投資を続けて来られたのである。

証券会社の残高が増えていく。その数字の軌跡だけを追いかけても株式投資の勝ち方は体得することはできない。投資した株式がしばらくして上昇を始め、数ヵ月後、数年後の株価が数倍になってキャピタルゲインを得る。投資の世界は結果を導く背景を分析するところに勝ち方のポイントがある。常勝を維持するためには、自らの分析の視点を変えずにいることである。

ゴルフも真っ直ぐ飛んでいくボールに目を奪われていてはいつまでたっても上達はしない。自分が「ナイスショット」をしたときの、自らのグリップ、クラブトップの位置、体重移動、スイングの軌道を再度チェックしてみるべきである。結果がでるにはそれなりの理由があるはずだ。

ここ数年のIPO株は初値騰落率が100%を超しており、公募株式さえ入手できればキャピタルゲインを得たようなものである。個人投資家の中には株式投資の基礎的な知識を習得もせずにIPO株の公募をゲットすることに命がけの人がいるようだ。しかしながら、それはゴルフで言えば、闇雲にドライバーを強震してドラコンでトップを取るようなものだ。持続性がないという点においてまったく同じである。

ゴルフは18ホールでスコアメイクするゲームであるが、そのときの環境やコースの設定によっていつも同じようにプレイしていてもスコアはまとまらない。株式投資においても外部環境は毎日変化し、昨日の勝利の方程式が今日も通じるとは限らない。基礎的な物事の考え方を身につけることが株式投資においては投資家を勝利に導くのである。その常に忘れてはならないものとは、株価が変化する基礎となっているのは企業収益の変化であるということである。

 

東京IPO編集長 西堀敬 column@tokyoipo.com

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