ある秋の晴天に恵まれた日の午後。横浜ランドマークタワーの上層階に位置する部屋からのベイブリッジを臨む横浜港の眺めは絶景としかいいようがない。
その部屋の主であり日焼けした笑顔を持つ一人の紳士の人生談はベストセラーとなっている小説よりも面白い。企業家とはこのような人物のことを言うのかもしれない・・・と思いながらどんどん話しに吸い込まれてしまう。 その紳士の人生は、ベンチャー企業としての起業に始まり、日本の最大手の商社や官公庁までも巻き込んだ90年代前半のインターネットビジネスで先駆けとなるも大きな負債を一人で背負い込んだのである。その後、苦汁を舐めながらも復活に命を賭け、そしてたどり着いたのがデフレで価値を毀損した日本の不動産を再製造する事業であった。その成功へのロードを歩んできたのは2005年9月に名古屋証券取引所セントレックス市場に上場を果たしたランドコムの青木俊実社長である。 20代前半での大成功、そして突然訪れる挫折、その繰り返しが今目の前にいる青木社長の生き様である。青木社長にランドコムの事業そしてこれからのランドコムの成長戦略についてお話をお伺いした。 |
事業概要について教えてください
弊社は、不動産流動化事業、マンション関連事業、ハウス関連事業、そしてこの10月より始めたリーシング事業の4つの事業を軸に展開しております。 また、11月に、ランドアイ株式会社、株式会社AVANTI(アヴァンティ)という2社を100%子会社として設立いたしました。 不動産流動化事業は、例えば神奈川県で社宅を分譲マンションに変えたり、北海道のニセコでオーストラリア人観光客向けのコンドミニアムを開発したり、六本木の商業施設等を開発したりしまして供給しています。 マンション事業も多岐に渡ってファミリーからワンルームマンションを手がけています。 ハウス関連事業は、前期から特に力を入れ始めた事業でございまして、「アーティストホーム」と言うブランドで、防音性や遮音性に優れ、また耐震効果も2×4の1.6倍と強く、日本の建築家のトップクラスやデザイナーの方々を入れて作って供給しています。外観、内装にこだわっておりますが、価格帯はリーゾナブルですので、非常に好評で売り出しますとすぐに売れてしまうものもございます。 リーシング事業では、今までは保有している不動産の賃貸のリーシングを外部に委託していましたが、これからは社内でリーシングを行おうと考えています。 私は、ランドコムを設立した際に、この会社の目指すべき不動産事業のビジネスモデルとして、「特定の事業領域に特化しないこと。そして、営業部隊を抱えない、少数精鋭主義の不動産メーカー」ということを掲げました。 不動産業界は、会社がある程度成長した後であれば別にして、会社設立当初は、マンションデベロッパーはマンション専門、ハウスメーカーであればマンション開発は手がけずに戸建て住宅のみという会社がほとんどです。また、自社で営業部隊を抱えて販売活動を行うのが通常のこの業界において、私が掲げたことは今でも珍しいことだと思っております。 具体的には、リスクを分散するために、マンション事業から戸建て事業、不動産流動化事業まであらゆる物件を手がけ、事業内容も土地開発から建物開発、他者へのOEM供給、直接販売まで、総合的に行うことにしました。また自らは販売網を一切持たずに販売をすべて外注し、我々は企画開発に特化しまして、コストを抑制いたしました。
弊社に限らず、一般的に不動産事業者に対しては「金利上昇リスク」「市況の過熱による仕入れの困難化」ということが昨今言われております。 まず、金利の上昇に関してですが、これは弊社に限ったことではなく、全体に対して言えることです。とはいえ、我々が単なる不動産流動化事業者でしたら、そうも言っていられないかもしれません。しかしながら、我々は、不動産流動化事業の他に、マンション関連事業、ハウス関連事業を展開しております。金利が上昇していく背景としては、当然、景気が良くなってきていることがあるわけであり、そのような環境であれば、戸建ての需要が伸びていくものと思います。 第一回(連載全2回) 完 第二回はこちらから ランドコムIRセミナーで青木社長の話を直接聴くチャンス! 2006年12月14日(木)18:50〜 |
企業DATA
ランドコム株式会社 |
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□証券コード | 8948・名古屋セントレックス | ||
□ホームページ | http://www.landcom.co.jp/ | ||
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