今年も、2月6日からIPOが再開される。昨年は1月30日からだったが、一昨年も
2月6日だったので、決して遅いわけではない。遅い方がむしろ、IPOに飢えた
投資家心理をジレさせて人気がつきやすいとも言える。投資家はいつも、年初のIPOには好意的だ。
ただ、新興市場でIPOを果たした企業の社長に聞くと、上場準備は大変だった、と。上場審査と初値までも大変だったという。そして上場後はもっと大変だとも。
準備から上場完了までは、関連事業者が引っ張り上げようと手を差し伸べてくれる。しかし、一旦上場してしまうと、差し伸べられるのは手のひらだ。問題は、その手にオカネを載せても、好結果を得る事ができるのかどうかが分からないという点で大変なわけだ。
それでも、上場したいと言う企業は多い。上場するべきだ、とそそのかせているのは証券会社なのか監査法人なのか、ベンチャーキャピタルなのかは分からない。おそらく、全ての関係者が進言している筈だ。ここで登場する関係者は、上場後の株価に関心を払わない。彼らの面倒見は系列IR会社の紹介に終わる。系列IR会社は、有料でアナリスト対象の決算説明会などを準備する。
だが、実際に開催して見ると、出席してくるのはマスコミであったり、証券会社の法人部門の人間であったりする。調査部門からホンモノのアナリストが出席しても、レポートを出すとは限らない。
現実問題として言えば、殆どの会社には「担当」のアナリストがつく事は無い。アナリストがレポートを書いたとしても、業界動向を一般論としてまとめた為なのか、企業の事業モデルを紹介するだけで、業績見通しの分析や売買格付けにまで進むことは稀だ。ましては、継続訪問してまで企業レポートが出てくることは殆どない。
つまり、IPO銘柄で確実にまとまった企業資料は上場前に配布される目論見書だけであり、その状態がずっと続く可能性がある。となれば、投資家はIPO時にしか安心できないし、確信も持てないことになる。新興市場は、人気づいても上場直後だけ、という事になる。この状態が変わる徴候はない。出来高上位
と、直近上場銘柄人気が主導のするIPO市場が金利上昇期待と共に再開される。日系投資会社在籍 P.N.候鳥(わたりどり)
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