今朝はいつもと同じ時間に自宅を出たにもかかわらず、先週よりも電車が混んでいた。
朝の7時前後の電車の中は通常は新聞に目を向けるサラリーマンばかりで静寂な雰囲気が漂っているが、今日は一変してあちこちで会話が聞こえてきた。
車中を見渡すといつもとは異なる風景が目に入った。
それもそのはずで今日から社会人の新入社員が集団登校ならぬ、集団出社しているのである。
都心は先週からソメイヨシノが満開で社会人1年生の門出を飾るには、最高の演出となったはずである。
そしてたまたま偶然ではあるが、今日の午後は某上場会社の新年度の事業キックオフ会議に出席する機会があった。
冒頭に社長の新入社員への訓示、そして新事業年度の抱負が述べられ、その後は次々と事業部門長の経営計画がプレゼンテーションされた。
そして社長の話の締めは株価目標であった。新興株式市場に上場する同社は、指数に引きづられて昨年度は株価がほとんど半分近くまで下落してしまった。
今期は業績もさることながら、株価も今日の株価の2倍の水準を目指すと言う。
そんな同社の株価は先週末比で上昇して引けたが、株式市場全体の動きは新年度のスタートを飾るに相応しい形では終わらなかった。
日銀短観の数字にネガティブサプライズはなかったにもかかわらず、株式市場は後場から下げ足を早めたのである。
私は週末からなんとなく嫌な予感はしていたが、今朝の日経金融新聞を読んで更に憂鬱な気分になっていた。
週末に届いた米国の経済紙バロンズの記事。
- 5月以降、米国株は15-20%下落の可能性
- 企業業績成長に減速気配
- 2桁増益が途切れる決算発表後の方向を決めるものは・・・
などの見出しが週末は目についてなんとなく嫌な気分になっていた。
そんなところに、本日の日経金融新聞の一面は4−6月相場展望で、
「18,000円届かず」の見出し。
為替は120円台の円安、長期金利は1.5%台に低下、そして企業業績は、2007年度も経常利益が二桁成長の前提でも18,000円に届かないというのだ。
株価の重しとなる懸念材料は、バロンズや日経金融を読むとまずは米国経済の減速懸念である。
そこの部分がまずは払拭されないと霧は晴れないということらしい。
今日から新年度入りで企業トップは社員や新入社員に対して今年度の抱負を述べていることだろう。
業績と株価という両面で企業が意識しなければならないのは競合他社の動きだけではなく米国を始めとするグローバルな経済の動きになってきている。
手が届かないところまで気を配りながら社員に加えて投資家と対話しなければならない経営者の憂鬱はしばらく続きそうだ。
東京IPO編集長 西堀敬 column@tokyoipo.com |