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バイサイドトレーダー、5の言い訳

某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
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皆さん、こんばんは鰊です。

暖かくなったと思ったら、あっという間に桜に緑が混じり、お花見のピークが過ぎ去ってしまいました。週末は草津温泉で雪と雹に見舞われていたので実感ありませんが、夏が見えてきたような気温です。

さて、度々触れておりますが、バイサイドトレーダーは自分のポジションを持たず、ファンドマネージャーの選択した銘柄を如何に上手く執行するかが問われる仕事です。

なので主な仕事として、(1)マーケットを読むこと、(2)コンプラを遵守すること(最近はほんと厳しい)、(3)ファンドマネージャー(以下FM)に貢献することの3つが重要になります。

(1)は言わずもがな。(2)はトレーディングというのは一歩間違えばすぐに法令違反の疑義が生じるので、運用会社として最良執行と法令遵守を両立させる最後の砦としての役割です。

(3)は、ファンドのパフォーマンスの全責任を負うFMの負担を少しでも軽くして、間接的にファンドに貢献することと言えるでしょう。

この3つの重要性は容易に優劣をつけられるものではありませんが、1つだけ確かなことは、ベテラントレーダーになるほど良い味を出せるのは(3)だということです。

というのもFMには気性が荒い方が多いので(普段は冷静でも、株になると人が変わる)、FMに貢献するためには、以下のように色々な面でサポートすることが大事です。

・少しでも安く買って、少しでも高く売る。
・FMが悩んでいたらアドバイスする。
・FMが無茶なことをやろうとしたら嗜める。
・色々な投資手法を提案する。

そして、最も大事なことは「FMがトレーダーの執行にイライラしないよう気を配る」、具体的には、「何で俺の言ったとおりに出来ないんだ!!」とFMが怒り狂ったときに怒りを収めるような一言を発することと言えます。

特に、トレーダー自身が「しまったなあ…」と思うようなトレーディングをしてしまった時に、逆境に負けず丸く収めるために経験が物を言います。

「え?それってただの言い訳じゃないの?」と思った方。正解です。

しかし、瞬間的に沸騰するFMに対して謝罪の言葉は何の意味も持たないのです。

何十銘柄も発注するFMは一つの銘柄にそこまで関わってられないのも事実。
その瞬間を上手く切り抜けることが、双方にとってハッピーな結果を生み出すのです。(と信じたい…。)

というわけで「失敗トレーディングの時によく使う言い訳ベスト5」をシチュエーション別に述べていきます!

番外編
「すいません、ハンドクリームを塗っていて上手く反応できませんでした。あはは。」

いきなり誤魔化し系です。FMから「○○のそこの板、取って!ガチャ(電話切られる)」ときたときに咄嗟に出た一言です。一回しか使ったことありません。何で怒られなかったのか今でも不思議です。

第5位
「ソフトバンクは上がってたんですが、波及しませんでしたねえ」

いまさら系。いまさらソフトバンクかよ!と突っ込んでくれないとただの周りが見えてないトレーダーになるので使いところが難しいです。実際に良く使うのは、マーケットを先導する株として昨年は新日鉄。今は日立です。

第4位
「○○FMの注文が先に来ていたので…」

責任転嫁系です。先に来ていた○○FMの注文は電力・ガス等の全然急ぎの注文じゃないケースも多いです。

第3位
「この銘柄だけ良い動きしてたので、躊躇して売り損ねました」

あたかも同じセクターの他銘柄は下がっているような言い方ですが、実際には全部同じ動き。うっかり見逃した時の言い訳ですが、ハッタリ系なので勇気がいります。

第2位
「いや、何か短期筋っぽい動きに邪魔されて…」

こちらも責任転嫁系。成行の注文であっという間に株価が動いてしまった時の常套句です。

まあ、これは言い訳というかただの事実です。一昨年に比べれば使うことはなくなったなあという気がします。誰も事実確認できないのが良いところ。

第1位 「システムが重くて…。」

無敵の一言。これを使ったことのない社会人はいないのではないでしょうか。
自分に非があろうがなかろうが、一日に何回でも使える魔法の言葉。普段から使えば使うほど、認知度が高まり信頼性が高まる本当に便利な奴。
欠点としては、本当にシステムが重くて自分自身がイライラすることの方が多い。

書いていて、相当ダメトレーダーぶりをアピールしてしまった気がしますが、あくまでそういうケースもあるというだけです。念の為。

何も言わなければ、まず責められないのが事実ですから…

いや、冗談です。


某運用会社日本株トレーダー 鰊(にしん)
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