昨日、統一地方選が投票、開票された。
結果は予想(?)通りではなかったか。
13都道県の知事選で現職の9氏が勝利した。
変化を好まない日本人の姿を垣間見たような結論がそこにあった。
今回の知事に限った話ではないが、官僚出身者が多いのも気になるところである。
天下り議論が絶えない中にあって霞ヶ関の影響力が地方でも高まることは、過去から引きずってきた価値観を後世にも伝える仕組みが変わらないことを意味しているように思えてならない。
しかしながら、変わらねばならないと感じている日本人も多くなってきているのも確かだ。
少し前に選挙があった宮崎県知事はそのまんま東こと東国原英夫氏が当選を果たした。
東国原氏の経験で何ができるのか?は正直疑問であるが旧態依然とした体制を打ち破るにはこれしかなかったといえる。
いわゆる県民による「革命」選挙に近いものであった。
そして今回の選挙では東京都知事に3期目となる石原慎太郎氏が選ばれた。
他の自治体については良くわからないが、東京都に関しては常に変革を訴えつづける石原氏だから3選を成し遂げたのであろう。
東京都は生粋の江戸っ子だけの集まりではない。東京は日本全国から変化を好みリスクをとって成功もしくは前進を目論む人たちが集まっている都市である。
私には東京都知事選を戦う他の都知事候補は石原氏批判ばかりで中身がなかったように見えた。そしてどちらかと言えば、少子高齢化で老朽化していく日本国を東京に見立てて人口の一番多い層のメリットに訴えかけただけではないだろうか。
石原氏が「東京から日本を変える」とは良く言ったものである。
国を企業に例えるならば、成熟した市場でオールドエコノミー企業が生き残るのは厳しくなってきている状況が正しく日本の高齢化社会である。
人口は少子化で減る一方で老人が増えて消費は低迷する、なんてことばかり考えていたら日本という国は終わってしまうのである。
国民のマインドを前向きにする。 日本はもっともっと成長する国になるのだという「動機付け」をすることこそが今の政治家に求められていることではないだろうか。
政治家の謳い文句が「弱者救済」「格差是正」もいいかもしれないが、日本が世界でプレゼンスのある国になることが国富に繋がるとの考え方が非常に重要になってきている。
その意味では、東京で起こっていることを全国規模に拡大解釈して捉えることには限界がある。しかしながら少なくとも東京都だけは他の自治体と異なった動きをしていかねば日本国の活力が失われてしまいそうである。
我々国民は東京を他の政令指定都市と比べるのではなく、ニューヨーク、ロンドン、上海、パリなどの世界中の人々が注目する国際都市として考えるべきである。
東京が落ちぶれることは日本が世界で落ちぶれることを意味すると考えたほうがいいだろう。
Passing JapanはPassing Tokyoから起こるはずだ。
ようこそジャパン、ではないが、誰が東京都知事であろうと「東京オリンピック」を是非実現していただきたい!
P.S. 今日は株式市場に関連するトピックスではなかったが、日本が世界で見限られないようにすることが東京株式市場の活性化にもつながるはずだ。
東京IPO編集長 西堀敬 column@tokyoipo.com |