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2008. 1. 15 No.566



『相場の底は・・・』 

 

この三連休でやっと正月休みの気分を味わった。

先週の土曜日に西堀塾を開催したので、年末年始はデータの分析や資料作成の追われて気忙しい毎日だった。

そんな西堀塾を終えて箱根に湯に浸かりに行く予定だったが、年末近くになって少しスケジュール変更となった。 

13日の日曜日は雪の降る箱根に行ったのだが、14日の月曜日は楽天証券主催の大イベントに東京IPOTactixのブースを出すことになり、朝の10時頃には元箱根近くの宿泊先を出て横浜に一直線に車を走らせた。

ところが雪の箱根を降りていく車が多くて大渋滞となり1時間30分程度のドライブの予定だったが横浜に到着したのは13時少し前になってしまった。(世の中は思ったとおりに行かないことが多いものだ・・・)

楽天証券の新春講演会は大盛況でたぶん3,000人くらいの個人投資家が集まったと思われる。お陰で東京IPOのブースにも大勢の個人投資家に訪れていただいた。スタッフが用意していた数百枚のパンフレットが午前中になくなるほど、まだまだ日本株投資への熱い思いを持つ投資家が大勢いることが確認できた。

さて、そんな中で何人かの講演者のお話を聞いてみた。

証券会社主催の講演会で弱気なことを言う講師なんて呼ばれないのは当然かもしれないが、講師は強気の発言で来場した個人投資家は気持ちを強く持つことができるようになったのではないだろうか。

その中でも個人的に一番興味深かったのは、テレビ東京のコメンテーターでも有名な堀古氏のサブプライムローンについての話であった。

まずはサブプライムローンの借り手の属性であるが、所得の低い人ではなくて信用の低い人のことだということだ。 この信用評価はどのように行われるかという説明があったが、驚いたことに収入は大きな要素ではないそうだ。過去のローンの返済履歴、クレジットカードの枚数、決済状況、ローンの借入残高等が重要な要因らしい。

従って、年収が数千万円ある人でもカードの決済が1回でも滞ると信用の低い人になってしまうようである。 またむやみにカードを沢山つくることも信用をなくすようである。そのあたりは日本の住宅ローンの与信審査とはかなりことなるようである。

このサブプライムローンを借りている人の平均年収は537万程度で平均的なローン残高が2,500万円程度、金利8%で毎月20万円くらい返済しているそうだ。537万円の所得で年間240万円を返済するとなるとデフォルトする人も出てくるのは間違いないだろう。もしステップアップで今まで低かった金利が上昇するとなるとこちらも厳しい状況になる。

ではこのローン借主をどのように救うかであるが、今米国では一生懸命金利を下げている。
1%の利下げは上述の条件の借主の毎月の返済額を2万円下げる効果があるそうだ。

昨年の夏のFFレートは5.25%、それが今は4.25%、そして月末には3.75%まで低下するだろう。数ヵ月後には3%近くまでの利下げ期待がある。

このFFレートがそのまま住宅ローン金利に反映されれば、8%→6%もしくは5%まで金利が下がり毎月の返済額は4万円〜6万円ほど減る計算になる。

たぶん大統領選挙が終わる頃までは政治的には利上げはできないだろう。 となればサブプライムローンの問題も春先にはいったん落ち着く可能性が高いというのが堀古氏の話の筋であった。

もちろんシティバンクを中心とする金融機関も利下げ効果は大きく1%の利下げで1.5兆円程度増益効果がある。 SWFからの出資で資本増強が行われて今期は利益が出るとなると金融セクターは大きく値を戻す銘柄が多くでそうである。

今日の日経平均株価は昨日の米国高を無視する形で終わったが、かなり行過ぎた株価に陥っていることは間違いない。 

今朝のブログでも書いたように相場の底はソコにあると見ておいていいだろう。

 

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東京IPO編集長 西堀敬  column@tokyoipo.com