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2008. 1. 21 No.568



『運用成績を上げたいなら今こそチャンス』 

 

今日の東京株式市場は先週の米国株式市場のセンチメントを引きずったままで沈んでしまった。

この不安定な世界同時株安に歯止めをかける株式市場はどこだろうか。

米国の景気悪化への対策としてブッシュ大統領は1,500億ドルの減税を発表したが、市場はtoo small to stopと判断し売りが止まらなかった。

米国の株式市場動向は日本の2003年の春先に良く似ていると思われる。株価が下がることによって政策を催促するという催促相場が下げを加速しているように思われる。

さて、米国や英国を始めとする欧州の金融機関はサブプライムローン関連商品の損失で被った自己資本の毀損を十分に埋め合わせることができないままでいる。

SWF(政府系ファンド)からの出資を募っているとは言え、新規の与信を拡大していくことや住宅関連への融資の蛇口は閉まると考えなければいけない。

住宅不振による個人消費の落ち込みの原因を金融機関の信用収縮にあるとは言えないが、近い将来住宅投資ができるような価格まで不動産価格が落ち込んできたとしても、今度は貸し手の問題で住宅市場が回復しない可能性もありうる。

このような米国の経済動向はすでに世界の工場になっている中国にもその火種は飛び火しているようである。

今日の日経金融新聞の記事によると昨年の秋から上海港の米国向けの荷動きが停滞し始めているようだ。 ここ数年の米国経済を牽引してきた個人消費が落ち込むとなれば、中国経済も順調に二桁成長を続けるのは難しくなるかもしれない。

とするならば中国経済は成長を続けるとしても株式市場は昨年のような急速な上昇を演じるとは考えにくくなってくる。

米国経済の停滞は、新興国の成長を阻害することはあっても後押しすることはなく、成長を裏づけにしてマネーを新興国に注ぎ込んできた投資家も成長という言葉を今年はキーワードに出来なくなるのではないだろうか。

すでに株式市場を離れた資金は質への逃避を加速させており債券の利回りが世界中で下落している。

ここでちょっと考えてみたいことは、日本は成長というキーワードはあてはまらないが、金融システムは安定しており信用収縮が起こる可能性はまったくなさそうである。

米国発の景気減速も日本をマイナス成長にまで陥れることにはならないだろう。

なのにここまで株価が売り込まれなければならない理由は見当たらない。筆者の独りの解釈かもしれないが、海外の投資家はたぶん一番売り崩しやすいところを売っていると言えそうだ。

昨年の国別株価パフォーマンスではブビー賞を取った日本であるが、今年は積極的な理由ではないにしても、消去法で日本が買われる番が回ってきているのではないだろうか。

余計な話だが、もしこのタイミングで新しい日本株ファンドを立ち上げればきっと今年のパフォーマンスは相当高くなるだろう。(こちらも独り言・・・)

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東京IPO編集長 西堀敬  column@tokyoipo.com